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東京都防衛協会は、防衛意識の普及高揚を図るとともに、自衛隊を激励支援してその充実発展を助長し、わが国の平和と繁栄に寄与することを目的とした民間の組織です。

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躍動する自衛隊会報特集「私たちの誇り 躍動する自衛隊」

過去の「躍動する自衛隊」
東京都防衛協会会報第34号(06.10.01)特集記事
自衛隊体育学校
パリオリンピックを終えた自衛隊体育学校について、本稿で紹介します。
はじめに

七嶋体育学校長
 パリの地で熱戦がくりひろげられたオリンピック競技大会が閉会しました。
 自衛隊体育学校から5競技に7名の選手が参加し、銀メダル3つを獲得しました。東京都防衛協会会員の皆様から選手達に頂いた応援に対し感謝申し上げます。
 本節において自衛隊体育学校及びパリオリンピックでの選手の活躍について紹介します。
自衛隊体育学校について
 1961年8月、陸・海・空3自衛隊の共同機関として部隊における体育・格闘指導者の育成と体育に関する調査研究を目的に学校が創設され、翌年(1962年)4月からは国際級選手の育成を目的とする特別体育課程の教育を開始し東京オリンピック(1964年)に代表選手を輩出しメダルも獲得しました。
 それ以来、オリンピック選手の育成とメダル獲得を継続してきています。
 現在、自衛隊体育学校は、朝霞駐屯地(埼玉)で夏季競技選手を、真駒内駐屯地(札幌)において冬季競技選手の育成を行っています。
 学校で国際級選手を育成する中で培った知識や技法を部隊の体育・格闘指導者の教育の質の向上につなげています。
 また、オリンピックが目指す「平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」への参加は、我が国の平和と独立を守る自衛隊としても非常に意義のあることと思っています。
オリンピックでの選手の活躍
 まずレスリングでは高谷大地1等陸尉が圧倒的な強さで決勝まで勝ち上がり銀メダル、石黒隼士2等陸曹が準々決勝でアメリカ代表の強豪相手に健闘し7位、柔道では新添左季2等陸尉が混合団体で2勝をあげチームに貢献し銀メダル、近代五種では佐藤大宗2等海曹がフェンシングと馬術で勢いに乗り日本人初の銀メダル、内田美咲3等陸曹が準決勝の水泳種目で1位と実力を発揮し23位、オープンウォータースイミングでは蝦名愛梨2等陸曹が目標の入賞に届かなかったものの13位、7人制ラグビーでは梶木真凜3等陸曹が日本チーム17 トライ中の5トライを決め過去最高の9位とそれぞれの成果を収めました。
 これらは選手個人の頑張りはもちろん東京都防衛協会会員と国民の皆様からのご支援・ご協力の賜物であり、選手・職員がそれぞれの役割を果たし学校が一丸となって大会に取り組んだ努力の積み重ねが結実した結果でもあります。
 そして自衛官アスリートが繰り広げた数々の戦いと多くのドラマは、スポーツの素晴らしさを示すとともに、防衛省・自衛隊の精強さと、隊員への自信と誇りの付与につながったものと考えています。
今後について

防衛大臣を囲んで
 2年後には冬季オリンピックがミラノ・コルティナダンペッツォで開催されるとともにアジア競技大会が名古屋で、4年後には夏季オリンピックがロサンゼルスで開催され、既に新たな道のりは始まっています。
 選手がこれまで取り組んできた練習や日々の取り組みはプラスの財産であり、これらを生かして次の目標に向けて挑戦し続け、皆様の期待に応え続けられるよう努力してまいります。
自衛隊体育学校広報班
第一師団
鳥海陸将  第41代 師団長に着任

鳥海師団長
 第41代師団長として鳥海 誠司(とりうみ せいじ)陸将が8月2日付で着任した。
 鳥海師団長は練馬駐屯地に到着後、慰霊碑及び頭号師団慰霊顕彰室において献花し、殉職隊員に哀悼の誠を捧げた。じ後、儀じょう隊の栄誉礼を受け着任式に臨んだ。
 師団長は着任式において、儀じょう隊及びらっぱ隊の行進儀じょうにより式場に入場し、頭号師団各部隊の威風堂々たる雄姿を確認した。
 師団長は前任地帯広から着任したことから「練馬は暑い。この暑い中に着任式を挙行してくれた隊員諸官に感謝をする。この初心を忘れず、この第1師団の指揮を執る」と感謝の気持ちとユーモアを交え緊張の面持ちの頭号戦士を和ませると、統率方針「使命を果たす」、要望事項「信頼」「安全」を明示するとともに、「隊員の安全なくして、ご家族の信頼や隊員一人一人の信頼を掴めるものではない。隊員の安全は、最優先である。一緒に第1師団の信頼を築いていこう」と述べた。
 じ後、司令部の幹部挨拶、現況報告を受けた。  着任式において儀じょう隊長として参加した第1普通科連隊重迫撃砲中隊の角田2尉は「師団の第一印象となる儀じよう隊という重責を担い全身全霊で臨み、隊一丸となってその使命を果たすことができた」と話した。
 また、らっぱ隊長として参加した1普連重迫中の中矢3曹は「伝統ある第1師団らっぱ隊の吹奏技術・基本教練の練度を顕示する強い気持ちで着任式に臨みました。不安もありましたが、日本一である第1師団らっぱ隊を指揮することができ光栄でした」と話した。

行進儀じょう
愛する家族のもとへ無事帰国
 アフリカ東部ソマリア沖アデン湾での海賊対策に当たる派遣海賊対処行動支援隊(DGPE)の第21次要員に派遣されていた師団の隊員76人の帰国行事が7月31日に大宮駐屯地(第1派)で、8月3日に練馬駐屯地(第2派)でそれぞれ行われた。
 帰国した派遣隊員は、家族や駐屯地の隊員ら多くの出迎えを受け、笑顔で駐屯地内を行進した。帰国行事では師団長より労いの言葉がかけられ、隊員一人一人が派遣先での思い出等をスピーチした。会場は笑いに包まれ無事に任務を完遂し帰国したことを喜び合った。
 第1施設大隊の大家2曹は奥様、娘さんに下は2歳からの3人の息子さんを日本に残し、派遣行動支援業務隊施設班の先任陸曹として任務を完遂し家族のもとに戻ってきた。
 中学1年生の娘さんの凛桜(りお)さんはお父さんが不在の間、学業と部活の陸上を頑張りつつ、お母さんのお手伝いに下の兄弟3人の世話と、お父さん不在の家をお母さんと一緒に守ってきた。
 「パパが無事に帰って来てうれしい。また自慢のパパと一緒にランニングをしたい。何よりもたくさん甘えたい」と笑顔で話してくれた。 それに笑顔で答える大家2曹の目じりには輝くものがあった。
 家族全員で任務を完遂した二人の真っ黒に焼けた笑顔に輝く白い歯が印象的であった。

愛娘と2ショット
各関係機関との連携による実効性の向上
 師団は各種事態対処における実際的な任務遂行能力の向上を図るため、師団長要望事項の一つ「創造的破壊への挑戦」を具現すべく、訓練場所を自衛隊の訓練施設のみに限らず、公共施設等を用いて演習を行うとともに、各関係機関の参加協力を得た各種協同訓練を行い、首都機能維持に寄与し得る真に戦える部隊の創造に努めている。     
 師団は5月8日から7月2日までの間、首都機能の維持に必要な作戦遂行能力の向上を図ることを目的とし、情勢の推移に応じた作戦準備から作戦行動について恒常の隊務と並行して約2カ月にわたる第1次師団演習に臨んだ。
 6月19日には駐屯地給水施設の異状により水道が停止したとの想定で、駐屯地の警備任務と並行して第1後方支援連隊は駐屯地食堂に対する給水支援、併せて駐屯地内の各部隊に対する1t水トレーラへの給水支援を行った。
 1後支は駐屯地給水塔及び光が丘公園の災害給水ステーション(東京都練馬区)にそれぞれ補給隊の給水支援組を派遣し、各取水点での水質検査及び水質判定を迅速・正確に行うとともに、練馬駐屯地給水塔からの取水では浄水が必要との水質判定結果から、浄水セットを展開して浄水した給水により駐屯地食堂の運営に寄与した。
 光が丘公園の災害給水ステーションは、災害等に備え大型の緊急車両等が円滑に進入できるように整備されているため、公園管理事務所との連携により、補給隊は迅速に取水点まで進入できた。進入後には緊急車両等の受入れ準備を行っていた東京都水道局と連携して速やかに水質確認と取水を行い、練馬駐屯地において駐屯地内の各部隊に給水支援を行った。

水道局員と連携して取水
もっともっと大きな舞台へ 熱き吹奏とドリルバトル
 師団は7月8日に練馬駐屯地体育館において、7月10日に板妻駐屯地体育館において行われる師団らっぱ隊の選考会を実施した。部隊から選抜されたらっぱ手約100名が参加し、国家的行事等における名誉と誇りある師団らっぱ隊の一員の座を懸けて、熱き吹奏、ドリルバトルが繰り広げられた。
 本選考会は一般公開され約100名の方が質実ともに熱気に満ちた選考会を手に汗握りながら観覧した。  1後支連の小澤士長は令和2年にらっぱ教育を終了し、今回はじめて1後支連での選考会上位に入り、師団選考会のチケットをつかんだ。一般公開で観覧に来た母親が見守る緊張の中、全身全霊を懸けて吹奏した。
 「母に自衛隊でしっかり頑張っていることを伝えれるよう、気持ちを込めて吹奏した」と話す小澤士長に母の友美さんは「娘は自衛隊に入るまで音楽は一度もやったことがなかった。頑張る娘をずっと電話越しに応援し続けるしかなかったが、今日は演奏する娘を目の前に応援できて本当に良かった。誰よりも上手に演奏できていた。自慢の娘です」と笑顔で愛娘を褒めていた。

娘の演奏を聞いて感激
第1師団広報班
過去の「活動する自衛隊」
創刊号(28.10.1) 2号(29.1.1) 3号(20.4.1) 4号(29.7.1) 5号(29.7.1)
6号(2910.1) 7号(30.1.1) 8号(30.4.1) 9号(30.7.1) 10号(30.10.1)
11号(31.1.1) 12号(31.4.1) 13号(31.7.1) 14号(1.10.1) 15号(2.1.1)
16号(2.4.1) 17号(2.7.1) 18号(2.10.1) 19号(3.1.1) 20号(3.4.1)
21号(3.7.1) 22号(3.10.1) 23号(4.1.1) 24号(4.4.1) 25号(4.7.1)
26号(4.10.1) 27号(5.1.1) 28号(5.4.1) 29号(5.7.1) 30号(5.10.1)
31号(6.1.1) 32号(6.4.1) 33号(6.7.1)    
号 数 部隊活動紹介
第33号 ●桜花爛漫 盛大に祝う師団・練馬の記念行事(1師団)
第32号 ●第21次派遣海賊対処行動支援隊ジブチへ出発(1師団)
●全隊員で挑む師団競技会(1師団)
●理想は父のような自衛官(1師団)
第31号 ●令和5年度第2次師団演習(首都防衛のミッションリハーサル)
●関東大震災から100年災害の教訓活かす
第30号 ●第1戦闘団 HTC訓練で大奮闘
●05JXR南海トラフ震災対処
●第2回王子コンサート地本高校生と奏でる未来へのハーモニー
第29号 ●硫黄島にて日米合同の慰霊式(34普連)
●CBRN事態対処能力向上(1特防、1後支連、1飛隊、中特防隊及び126地警隊)
●頭号戦士 全国の舞台で活躍(1普連)
第28号 ●第3次訓練検閲を実施(32普連/1後支連)
●師団指揮所訓練(1普連/32普連)
●部隊相談員養成訓練(師団)
第27号 ●第3次訓練検閲(1後支連・1特防)
●47回定期演奏会(第1音楽隊)
第26号 ●頭号師団 精強第一師団(国家的行事への参加/国際貢献活動/災害派遣活動)
●令和4年度 第1師団第1回訓練検閲(1師団)
●試練を乗り越え レンジャー帰還(1普連)
●師団最先任上級曹長交代式(1師団)
第25号 ●第1師団創立60周年・練馬駐屯地創設71周年記念行事
第24号 ●第40代 第一師団長 兒玉恭幸 陸将 着任(1師団)
●米軍との連携 更に強化()32普連)
●硫黄島で日米合同慰霊(1普連)
第23号 ●東京都殉職隊員追悼式ー哀悼の誠を捧ぐー
●第2回師団訓練検閲3個部隊評価
●国民の自衛官表彰式
第22号 ●東京2020五輪・パラリンピック協力(防衛省・自衛隊)
●躍動する自衛隊
・大雨に係る災害派遣(1師団)・防衛大学校第3学年の部隊実習支援(1師団)・機上からの機関銃射撃訓練(1師団)・新たなレンジャー 隊員誕生(32普連)
第21号 ●唯一無二 最強の頭号師団創造
・ぶれない心で任務に邁進 ・師団優秀隊員表彰
第20号 第2次師団訓練検閲 (32普連・1後連・1通大)
第19号 東京都殉職隊員追悼式(1師団)
第36回ふれあいコンサート(1音隊)
第18号 ●新型コロナと戦う自衛隊中央病院
・クルーズ船対応 ・市中感染対応 ・今後の対応 ・中央病院の沿革及び概要
●私たちの誇り 躍動する自衛隊!
 ・防衛大学校学生が部隊実習(1師団) ・2.3佐予備自衛官招集(1師団)
 ・北富士で施設合同訓練(1施大)
第17号 新型コロナ災害派遣(1師団) 
各教育隊で入隊式(1普連・32普連・34普連・1特隊)
災害派遣(1飛)・写真コンテスト「特別賞受賞」(1師付隊)
第16号 国民保護共同実動訓練(1師司、1普連、1後支連、1飛)、
大隊漕舟競技会及び施設合同訓練記録会(1施、1普連・1特合同)
第15号 台風15・16に伴う災害派遣
(1普・32普・34普・1後・1特・1戦・1高特・1施・1通・1特防・1飛)
インド陸軍との実働訓練(34普連)
祝砲(1特隊)
第14号 区防衛協会と1師団担任部隊&東京地本担当募集案内所等
第1次師団演習(1普連・1戦大・1施大) 
納涼祭(練馬)
第13号 各駐屯地で入隊式(1普連・32普連・34普連・1特科隊)
災害派遣(34普連・1飛隊)
第12号 災害派遣(32普連・1飛行隊) 
人命救助(1後方連) 
射撃競技会(1師団)
 第11号 自衛隊観閲式(1師団) 
日米共同訓練(1普連) 
慰霊祭部隊拝礼(34普連)
第10号 特科射撃(1特科隊) 高射射撃(1師団) 災害派遣(1師団)
第9号 国家行事 海外交流
第8号 災害派遣 訓練状況
第7号 日米実働訓練 戦没者慰霊祭
第6号 訓練検閲 国際射撃競技会 納涼祭
第5号 銃剣道大会 災害派遣 師団長交代
第4号 集合訓練 重迫撃砲等競技会
第3号 共同訓練 追悼式 礼砲・と列
第2号 訓練検閲 納涼祭
創刊号 海賊対処 災害派遣

東京都防衛協会会報第33号(06.07.01)特集記事
第一師団
桜花爛漫   盛大に祝う師団・練馬の記念行事
 第1師団は4月6日と7日「戦う?13・2%」をテーマに、桜満開の練馬駐屯地において第1師団創立62周年・練馬駐屯地創設73周年記念行事を挙行し、第1師団及び練馬駐屯地の歴史と伝統を顕示し、自衛隊に対する理解と信頼を広めるとともに、併せて隊員家族の理解を促進して隊員の士気の高揚を図った。
 今回の記念行事は、6日に前日行事(公募による完全招待制)として自衛官候補生入隊式が、7日に当日行事(一般公開)として記念式典が行われ、両日ともに「国民一人ひとりにとって戦うとは、自分にできることで国に貢献すること」を考えるきっかけとなる各種イベント・体験コーナーが行なわれ、併せて約九千人が来場した。   

威風堂々と行進儀じょう
「頭号の絆」は部隊の礎
 師団長兒玉陸将と師団最先任上級曹長中村准尉は4月10日、習志野駐屯地において実施された令和6年度全国空挺予備員降下訓練に参加して、全自衛隊で初となる師団長と師団最先任の同時降下を達成した。
  「降下用意!環掛けッ!」降下長の号令で落下傘開傘紐と直結した環紐を導線に掛ける。
 「装具点検」の号令で師団最先任が前に並ぶ師団長の装具を点検し「異状なし」の合図よろしく尻を叩く。 師団任務完遂のためには空挺団の「傘の絆」と同じように、互いに協力し合う鎖のような固い絆「頭号の絆」で結ばれなければならない。  
 「位置就け」の号令とともに用意の号令をまち降下へ。師団長が1番に飛び出し、続いて師団最先任が2番目に飛び出す。 降下の瞬間に自重で開傘紐が強く引かれ、飛び出した瞬間に開傘紐は解き放たれ、ちょうど4秒後に落下傘が花開き、二輪の華が大空を舞う。 二人の大空を舞う姿、降下して二人並び笑みを浮かべ歩く姿は傘の絆以上に「頭号の絆」で強く結ばれているかのように見えた。

師団長・師団最先任同時降下
頭号師団の 精強さを誇示
 3月9日・10日の両日、航空自衛隊入間基地において開催された第39会全自衛隊拳法選手権大会に師団から第1普通科連隊、第32普通科連隊及び第34普通科連隊が参加し、重量階級別5名1組の53個チームによって競われた団体戦で第32普通科連隊が準優勝、5個の階級別の男子個人戦81s級で山崎3曹(1普連)が優勝した。

団体戦準優勝の32普連
盤石の布陣で 勇往邁進
 第1普通科連隊は4月21日、日本武道館で行われた第68回全日本銃剣道優勝大会に参加し、防衛省第1部(5名1組の61個チームの団体戦)において準優勝の成績を収めた。決勝戦は16普連と対戦、先鋒戦から互いに一歩も譲らない接戦が繰り広げられたが、力戦奮闘するも力及ばず準優勝となった。  

団体戦準優勝の1普連
第1師団司令部総務課広報班
東京都防衛協会会報第32号(06.04.01)特集記事
第一師団
第21次派遣海賊対処行動支援隊ジブチへ出発
 師団(師団長 兒玉恭幸陸将)は1月14日に大宮駐屯地で第21次派遣海賊対処行動支援隊(DGPE)の壮行行事を、22日には同駐屯地において出国見送り行事を行った。
 自衛隊は2009年から欧州とアジアを結ぶ航路の要衝であるソマリア沖アデン湾において海賊対処行動に参加しており、シーレーン(海上航路)の安全を確保することで国際社会の安定と平和に寄与している。
 同隊は海上自衛隊との統合任務部隊となり、アフリカ東部のジブチ共和国の国際空港に連接する活動拠点において、その警備を含む維持管理等の任務を半年から1年にかけ遂行する。 

多くの家族に見送られ成田空港を出発する派遣隊員
 派遣にあたり14日に実施した壮行行事において、総監は「『万事作戦を基準』に任務遂行の気概を持つとともに、現地の人たちとの信頼醸成と相互理解、健康管理に留意しながら、日本の代表として活動して欲しい」と激励した。
 また22日実施した見送り行事において師団長は「諸官の勤務は何もないことが一番良いが、何かあった時にはこれまでの全ての訓練成果を発揮して基地を防護してほしい。無事に任務を完遂し、真っ黒に日焼けした満面の笑顔で再会できることを楽しみにしている」と述べ派遣隊員の出発を見送った。
 派遣隊員は日本の代表たる凛とした姿で堂々と行進、多くの隊員及び派遣隊員家族の激励と盛大な拍手を受け駐屯地を後にした。その後、成田空港では多くの派遣隊員家族が見送りに訪れ、しばしの別れを惜しむとともに無事の帰国を約束し合っていた。
全隊員で挑む師団競技会
 師団は1月22日から26日までの間、朝霞訓練場において、令和5年度師団競技会(小火器射撃競技会及び駅伝競技会)を実施した。
 本競技会では射撃練度の向上、任務に必要な体力の向上、部隊の団結及び士気の高揚を図った。
 各競技会に先立ち17日に統裁官訓示を行い、統裁官(師団長)は「全隊員が奮闘し、喜びを分かち合い、士気を高め、団結を強固なものにしてもらいたい」と述べ、参加隊員を鼓舞した。
 師団小火器射撃競技会は、普通科連隊の部及び普通科連隊以外の部に区分して行い、普通科連隊の部は、至近距離基本射撃、至近距離応用射撃及び対人狙撃銃射撃の3コ競技を、普通科連隊以外の部は至近距離基本射撃の1コ競技を実施した。
 普通科連隊の部の至近距離応用射撃科目では各連隊長が指定した56名が、対人狙撃銃射撃科目でも同じく各連隊長指定の36名の隊員が部隊を代表し、連隊の誇りを懸けて射撃の精度を競い合う三つ巴戦となった。
 至近距離基本射撃の普通科連隊の部では約900名の、普通科連隊以外の部では約1200名の抽選された隊員が、各人の名誉と部隊の誇りを懸けて熱戦を繰り広げた。

多くの隊員の声援を受けて必死に走る駅伝競技の選手
 駅伝競技会は、射撃競技会参加者、入校、集合教育、特別勤務等を除いた、師団長以下約800名の全隊員が参戦し、健脚を競った。  競技は各部隊の誇りと名誉をかけて、最後の最後まで熱戦が繰り広げられ、射撃・駅伝を通じて第1普通科連隊が総合優勝を勝ち取った。
理想は父のような自衛官
 師団は1月15日から2月22日までの間、第1偵察戦闘大隊長を担任官にし、令和5年度陸士特技課程(偵察)教育を実施し、斥候員として必要な知識及び技能を修得させるとともに、本特技に必要な資質の涵養を図った。2月5日から6日までの間は、練馬駐屯地において山地及び空路潜入訓練が行われ、山地潜入における座席懸垂及び空路潜入における懸垂下降の訓練を行った。
 練馬駐屯地のレンジャー塔の高所スキッドは、人間が恐怖を感じ始める高さ約11メートルの位置に設置されている。「低所で何度も反復演練したが、高所に立つとその高さは2倍にも3倍にも感じました」と語るのは32普連の中村士長。父は偵察隊等の第一線部隊で活躍し、現在は第1師団最先任上級曹長の中村准尉である。
 中村士長は父の影響で大学卒業後の令和4年に入隊、理想は父のような斥候員になることと抱負を述べる彼の目つきは父親譲りの鋭い眼光を放っていた。

高さ11mのレンジャー塔 垂直降下訓練中の隊員
 一方、訓練を実視する中村准尉は、息子の降下を下で見守る父親の優しい目をしつつも、先輩斥候員としてアドバイスをする様子は経験と実力を兼ね備えた師団最先任上級曹長の姿であった。
第1師団司令部総務課広報班

東京都防衛協会会報第31号(06.01.01)特集記事
第一師団
令和5年度第2次師団演習
首都防衛のミッションリハーサル
 師団は10月12日から18日までの間、東・北富士演習場及び各所在駐屯地において第2次師団演習を実施した。
 本訓練における主要演練項目は「ゲリラ・コマンドウ等への対処能力向上に係る訓練」「本格的陸上作戦を含む任務に応ずる部隊訓練」の2項目で実施し、各部隊の計画により各種事態対処能力の練度向上を図った。

建物内に潜伏する敵の撃滅等   の訓練を実施する隊員
 ゲリラ・コマンドウ等への対処に係る部隊訓練では、第1普通科連隊、第34普通科連隊及び第1施設大隊が東富士演習場市街地訓練場において、住民の避難・誘導、警備、建物内に潜伏する敵の索敵・撃滅等の訓練を実施した。
 また、第1師団司令部付隊、第1音楽隊は練馬駐屯地において重要防護施設の警備要領について訓練し、併せて患者発生時の搬送要領等について練度の向上を図った。
 本格的陸上作戦に係る部隊訓練では、各部隊の任務、特性に応じた訓練を実施し、その練度向上を図った。   師団は本訓練を通じて師団の重要任務である首都防衛に必要な部隊としての練度向上を図るとともに、師団の更なる精強化に向けた成果と今後の練成の資を得て終了した。
関東大震災から100年 災害の教訓活かす
 師団は8月27日及から9月3日までの間において、各所で行われた九都県市合同防災訓練に参加し、関係機関等との連携強化及び地域住民の防災意識の向上を図った。
 本訓練は大地震などの甚大な災害発生に備え、政治・経済の中枢機能が集積する九都県市(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市)において毎年合同で行い、1923年に発生した関東大震災から100年の節目となる今年は、例年より大規模な訓練が実施された。 第1後方支援連隊及び第1飛行隊は9月1日、相模総合補給廠一部返還地(神奈川県)で実施された九都県市合同防災訓練(中央会場)に参加した。
 本訓練は相模原市直下を震源とするマグニチュード7、震度6強の地震が発生したとの想定で実施された。1後支連は消防及びDMAT(災害派遣医療チーム)と連携して救助された被災者の処置等を行い、1飛行はヘリによる孤立者の輸送訓練を行った。

防及びDMATと連携して救助された 被災者の処置を行う1後支連の隊員達
 本会場には内閣総理大臣、関係閣僚等が来場し、1後支連が開設する救護所の前で自衛隊と消防・医療関係機関が連携して、救助活動をする場面を視察された。
 また参加隊員は、訓練終了後、防衛大臣から激励の言葉を受けた。さらに総監より優秀隊員として1後支連衛生隊の平野3曹及び渡邊士長がチャレンジコインを授与された。
第1師団司令部総務課広報班
東京都防衛協会会報第30号(05.10.01)特集記事
第一師団
第1戦闘団 HTC訓練で大奮闘
 第1師団(師団長兒玉恭幸陸将)は6月2日から9日までの間、矢臼別演習場で実施された令和5年度北海道訓練センター(HTC)訓練第1次運営に、東部方面特科連隊を含む諸職種部隊を配属された第1普通科連隊を基幹とした第1戦闘団(戦闘団長 1普連長)が参加した。これにより指揮幕僚活動の評価及び戦闘の客観的・係数的な評価により諸職種協同に必要な練度を向上させた。また本訓練の場において第1次師団訓練検閲(第1普通科連隊訓練検閲)を実施して部隊の練度を評価した。
 HTC訓練に先立ち、5月17日から22日までの間、1普連及び配属協同部隊はそれぞれの所在駐屯地から上富良野演習場まで長距離機動訓練を実施した。  現地到着の翌日23日から同演習場においてHTC訓練勝利に向けた事前訓練を行い、26日に矢臼別演習場に転進した後、27日に戦闘団は編成完結し、6月1日までの間で万全の訓練準備を整えた。
 1日に統裁官(1師団長)は「勝利への執念」を堅持して戦闘間がむしゃらに勝利を掴む為に行動することを第一に要望した。また留意すべき点として「企図の明示、確認、実行」と「非戦闘損耗の局限」を示すとともに、2点目に戦闘が終わった後の「反省と反映」を要望して訓示とした。

敵警戒部隊駆逐に任ずる隊員
 6月2日の状況開始から敵1コ戦闘団規模の部隊が防御する地域に対し第1戦闘団は、へリボン作戦及び前衛の2コ普通科中隊の迂回・浸透により敵警戒部隊を次々に迂回・駆逐するとともに、偵察・斥候活動を果敢に行い、敵重要目標である戦車及び自走榴弾砲を標定・撃破した。
 7夜8日にわたり繰り広げられた広大な矢臼別演習場での熱き戦いは、過去のHTC訓練参加部隊中、最も高い近接火力の精度で敵部隊を終始圧倒し、任務を完遂した。
 統裁官は講評において「HTC訓練に2年連続参加できる機会は少なく、2年連続で任務を完遂できたことを誇りに思う」と述べた。

勝鬨を上げる第1戦闘団
 第1戦闘団は12日、編成を解組するとともに、13日1普連は、上富良野演習場に転進し、補備訓練を14日から16日まで実施するとともに、7日から21日にかけて長距離機動訓練を行い、全ての訓練任務を完遂し、練馬駐屯地に異状なく帰隊した。
05JXR南海トラフ震災対処
 師団は6月26日から30日までの間、令和5年度自衛隊統合防災演習(05JXR)に参加し、南海トラフ地震対処計画の検証等を行った。
 本訓練は指揮幕僚活動として、対処能力の維持・向上及び災害対処計画の実効性の向上を図ることを目的に行われ、昨年に引き続き2年連続で行われた南海トラフ地震発災時の状況により演練した。
 師団は甚大な被害が予想される静岡県全域に対し、当初、第34普通科連隊を派遣して即時救援活動を、第1偵察戦闘大隊、第1飛行隊及び第1特殊武器防護隊を派遣して情報収集を実施するとともに、被害状況の解明に伴い静岡県中部地区に部隊を集中し師団全力で即時救援活動を実施した。
 さらに、甚大な被害が生起した伊豆・小笠原諸島の離島に対する対処を実施した。

関係機関との有機的な連携
 この間、師団司令部は東部方面総監部が静岡県庁に実設した方面現地調整所に連絡要員を派遣するとともに、司令部庁舎内に静岡県総合運動公園に開設予定の師団前方指揮所を設置して活動した。
 師団は本訓練を通じ、指揮幕僚活動の能力を向上させるとともに、想定外の状況にも対応でき柔軟な部隊運用及び南海トラフ地震対処計画の見直しのための資を得ることができた。
第2回王子コンサート地本高校生と奏でる未来へのハーモニー
 第1音楽隊は7月20日、北とぴあ・さくらホール(東京都北区)において、公益社団法人王子法人会と共催で王子コンサートを実施した。
 本コンサートは、自衛隊に対する理解及び親近感の醸成を図るとともに、地域との連携を深化させることを目的として行われ、今回で2回目の開催となった。
 本コンサートは「届け、未来へ〜この思いを音にのせて〜」をテーマに、幅広い年齢層の心に響く曲目を選曲し、2部構成で行われた。
 華やかなファンファーレとともに、希望に満ちた爽やかなコンサートマーチの「未来への架橋」(和田 直也)で幕をあけた第1部は、吹奏楽のオリジナル作品で高い合奏能力が要されるクラシカルな曲目「宇宙の音楽」(フィリップ・スパーク)など4曲が演奏され、地域のクラシック愛好家たちを楽しませた。
 第2部のオープニングはエネルギッシュな曲目、「スペイン」(チック・コリア)で幕をあけ、地元2校の高校吹奏楽部との合同演奏曲を含む5曲が演奏され、合同演奏に参加した学生の同級生や保護者の方は熱心に聞き入っていた。

力強い指揮による 地元高校生と第1音楽隊との合同演奏
 フィナレーは鳴りやまない拍手に応え、アンコールでは隊員と学生の美しい合唱による「明日という日が」(八木澤 教司)と、日本を代表するフュージョングループの作品「宝島」(T‐SQUARE)を学生と共に演奏し、華やかに飾り終演した。
第1師団司令部総務課広報班

東京都防衛協会会報第29号(05.07.01)特集記事
第一師団
硫黄島にて日米合同の慰霊式
 第1師団(師団長 兒玉恭幸陸将)隷下の第34普通科連隊は3月25日、硫黄島(東京都小笠原村)において日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式に旗衛隊として参加した。
 大東亜戦争末期の激戦地・硫黄島における日米両国の散華された英霊を慰霊し、日米の友好と恒久平和を祈念するため、日米再開記念碑前にて、平尾1尉以下3人の旗衛隊は、先人への哀悼の意を胸に参列し、国難に命を捧げた日米両国の戦没者の冥福を祈った。

日米両国の旗衛隊
CBRN事態対処能力向上
 師団は5月13日、東京消防庁第8消防方面訓練場(東京都 立川市)において、第1特殊武器防護隊、第1後方支援連隊、第1飛行隊、中央特殊防護隊及び第126地区警務隊と東京消防庁のNBC専門部隊とCBRN事態発生時の対処に係る合同訓練を実施した。
 CBRN事態とはC(化学)・B(生物)・R(放射性物質)・N(核)の英語の頭文字を取ったもので、これらによって発生した事態のことを意味し、今回の訓練はテロ攻撃に伴うCBRN事態の中でも特に、CB(化学・生物)攻撃及びCR(化学・放射性物質)攻撃が同時・多発的に公共交通機関車内及び駅構内に発生したことを想定し行われた。

東京消防庁との合同訓練で連携強化
頭号戦士 全国の舞台で活躍
 第1普通科連隊は4月23日、日本武道館で行われた第67回全日本銃剣道優勝大会に参加し、防衛省第1部(5名1組の61コチームの団体戦)において準優勝の成績を収めた。
 1普連は第61回大会で優勝以来、第62回、63回、コロナによる中断を入賞はさんで第66回大会と3大会連続で上位入賞を逃してきた。
 本大会4回戦で前回大会3位の40普連(小倉)、準決勝戦では同じく準優勝の16普連(大村)を倒して勝ち進み、決勝戦は2連覇を狙う普教連に力戦奮闘するも力及ばず準優勝の成果を獲得した。  

4大会ぶりに上位を果たした頭号戦士
(第1師団広報班)
東京都防衛協会会報第28号(05.04.01)特集記事
第一師団
第3次訓練検閲を実施
総合優秀部隊1後支連「日本一」に輝く
 第32普通科連隊及び第1後方支援連隊は1月11日から19日までの間、衛生学校(三宿駐屯地)で行われた令和4年度戦傷治療集合訓練(衛生科技術競技会)に東部方面隊を代表して参加した。
 本訓練は衛生科隊員の職務遂行に必要な識能及び部隊の戦傷治療能力の向上を図る目的で学科試験及び術科試験(第1・第2ステージ)の競技会方式で行われた。
 第1ステージでは救急救命陸曹(中級救急救命)・衛生救護員(初級衛生)の2名1コチームによる第一線地域における傷病者の救護を想定した状況を、第2ステージでは衛生救護陸曹(上・中級衛生)等含む、7名1コチームによる連隊収容所における傷病者の治療を想定した状況で行われた。  

戦傷治療集合訓練に真剣に取組む隊員
 結果、学科の部において32普連及び1後支連が優秀部隊として、術科の部において1後支連が、優秀部隊に、総合では、第1ステージにおいて32普連が第2位に、第2ステージにおいて1後支連が第1位となり、総合優秀部隊として表彰された。
 本訓練に参加した32普連衛生小隊の岸2曹は「衛生競技会参加にあたり『日本一』を目指し小隊一丸となって練成に励んだ。競技会参加時は、第一線において緊急救命行為が必要な傷病者に対し、いかに早く的確に処置を行えるかを第一に考え活動した。惜しくも第2位という結果ではあったものの、傷病者に対し必要な処置を的確に実施してこれを救命するとともに、救護員で参加した者も第一線での活動内容、観察手技を身につけ救護能力の向上につなげられた。医療は日進月歩であり今後も自学研鑽に努め、衛生技術の向上に寄与していきたい」と話した。 
 また、1後支連衛生隊の並木士長は「『真に患者を救える知識と技術の定着』を目標に取り組みました。学科練成では教範の暗記ではなくその機序の理解に努め、術科練成では処置の速度とその評価に着目し練成を重ねました。選手、指導部をはじめ、1後支連衛生隊が一丸となり東部方面隊の代表として勝ち取った白星を嬉しく思います。『真に患者を救える知識と技術の定着』が1後支連衛生隊の伝統として引き継がれるよう、その一助となるべく今後も研鑽を積んでいきます」と話した。
 訓練検閲実施にあたり統裁官(師団長)は1後支連に対し「第一線を間断なく支えて戦勝を獲得せよ」、1特防に対し「師団の任務達成に最大限寄与せよ」を要望した。
1普連VS32普連指揮及び運用能力の向上を図る

指揮所訓練統裁支援システムを用いた指揮所訓練
 第1師団は1月30日から2月3日までの間、東部方面指揮所訓練センターにおいて、令和4年度第4回師団指揮所訓練を実施した。
 本訓練は、指揮所訓練統裁支援システムを用いた指揮所訓練であり、戦闘団の指揮及び運用能力の向上を図ることを目的とし、第1普通科連隊(攻撃)及び第32普通科連隊(防御)の連隊対抗方式で実施した。
 訓練開始に先立ち、統裁官(兒玉師団長)は「戦闘力の組織化」「状況に応じた戦い方の創造」の2点を要望した。
 訓練開始後、両部隊はいち早く敵情を解明し、指揮下部隊の現況を的確に把握して戦闘力の組織化を図るとともに、協同部隊との連携を密にし、総合戦闘力を最大限に発揮して戦闘を行った。
 また、戦況の推移に応じて刻々と変化する状況に対しては、適時性、先行性のある幕僚活動を実施するとともに、指揮の要訣を実践し所望の成果を収めて訓練を終了した。
心のオアシスとなる隊員の育成

 令和4年度第2回部隊相談員養成訓練の様子
 師団は1月16日から19日までの間、練馬駐屯地において令和4年度第2回部隊相談員養成訓練を実施し、師団隷下部隊から部隊相談員(予定者を含む)32人が参加した。
 訓練には、衛生学校「心理」課程を履修する幹部学生も参加し、メンタルヘルス施策、各種ハラスメント対処、傾聴の基本技法、個人的及び組織的ストレス対処法等を教育して、軽易な相談対応及び各種専門窓口への繋ぎが実施できる部隊相談員を養成した。
 参加した第32普通科連隊の茶屋2曹は「傾聴技法だけでなく、人の気持ちに寄り添うことの重要性を学んだ。仲間の不調や変化に気付き、隊員の最も身近な相談窓口になれるように成長していきたい」と今後の抱負を述べた。
第1師団広報班

東京都防衛協会会報第27号(05.01.01)特集記事
第一師団
第3次訓練検閲を実施
1後支連・1特防 任務完遂!
 第1師団(師団長 兒玉陸将)は10月15日から22日までの間、東富士及び北富士演習場において、第1後方支援連隊(連隊長土工1佐)及び第1特殊武器防護隊(隊長 中村2佐)に対する訓練検閲を実施した。
 本訓練検閲は師団の総合戦闘力の最大限発揮に必要な能力の向上を目的として、師団の攻撃におけるそれぞれの部隊の行動を検閲課目として実施し、その練度を確認した。
 訓練検閲実施にあたり統裁官(師団長)は1後支連に対し「第一線を間断なく支えて戦勝を獲得せよ」、1特防に対し「師団の任務達成に最大限寄与せよ」を要望した。
1後支連

FH‐70の整備
1後支連は各集結地へ進入後、師団段列を開設。師団攻撃命令下達を受け、兵站・衛生支援を行った。  連隊長は、各整備大隊に損耗した被支援部隊の装備品15件を戦況推移等を踏まえ優先順位を決定した効果的な整備を、補給隊に食料20トン、燃料20`g、水30`gの補給支援及び入浴、洗濯等の需品サービスを、輸送隊に師団の衝撃力持続に必要な弾薬等を前方支援地域から師団段列まで整斉とした計画輸送及び緊急輸送を、衛生隊に負傷者の衛生隊応急救護所への受け入れ、配属医官の指示のもと観察、処置及び診療の補助を、それぞれ適切に実施させた。  1後支連は作戦間、第一線を間断なく支え師団の人的・物的戦闘力の維持増進に寄与し、その任務を完遂した。
1特防

 汚染地域の除染
 1特防は集結地へ進入後、師団除染所を開設。師団攻撃命令下達を受け、対特殊武器戦を実施した。
 17日、敵航空機による師団予備隊の機動経路に対する化学攻撃を受けた際、隊長は、偵察小隊に速やかに観測報告を実施させるとともに、自ら現場に進出し直接的な指導を行い経路の早期現状回復を行った。
 18日、負傷を伴う汚染人員が発生した際、隊長は、除染小隊に1後支連と協同して除染と治療・後送を迅速に実施し、早期に人的戦闘力の回復を図った。1特防は作戦間、対特殊武器対処能力を随所に発揮し師団の戦闘力の損耗を極限させ、その任務を完遂した。
 また、今回の訓練検閲では、師団として初めて、斎藤 隆則 予備1佐(元1後支連隊長等)、佐藤 繁文 予備1佐(元第103補給大隊長等)、田中 博幸 予備2佐(元第101野外病院隊長等)の予備自衛官3名が補助官部にアドバイザーとして参加された。3名はそれぞれの勤務経験を活かした助言等により、師団兵站能力向上等に大きく貢献いただいた。
感動の演奏で場内を魅了
第1音楽隊
 第1音楽隊は9月27日、杉並公会堂大ホールにおいて「祈りと希望〜復活の調べ」をテーマに第47回定期演奏会を2部構成で行った。
 第1部は心に残る日本の歌曲3選「この道」「海ゆかば」「ふるさと」の演奏に引き続き、「吹奏楽のための「海の詩・風の詩」」を演奏した。
 第2部はヒビキpianoさんをゲストに迎え、「ウインター・ゲームス」「戦場のメリークリスマス」をコラボ演奏した他「サマータイム」で駒形1曹がトロンボーンを独奏し、来場者を魅了した。

ピアノを演奏するヒビキpianoさん 第1音楽隊とコラボ
 最後にヒビキpianoさんと、ヨーロッパクラシック音楽とジャズを融合させたシンフォニック・ジャズ「ラブソディ・イン・ブルー」を披露するとともに、アンコールにおいて「I Got Rhythm」を演奏すると、感動の大きな拍手が来場者より寄せられた。 来場者からは「素敵な時間を過ごすことができ感動しました」などの声が多数聞かれた。  
第1師団広報班
東京都防衛協会会報第26号(04.10.01)特集記事
頭号師団 精強第一師団
 第1師団(師団長 兒玉恭幸陸将)は昭和25年警察予備隊発足直後の翌年、第1管区隊が越中島に誕生し、その後習志野を経て現在の練馬駐屯地へ移駐し、昭和37年に第1管区隊から第1師団へ、更に平成9年に政経中枢師団へと改編され現在に至っている。
 本稿ではこれまでの第1師団の輝かしい活動について紹介する。

師団長 兒玉恭幸 陸将
 第1師団は陸上自衛隊の頭号師団として東京都を始め神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・山梨県・静岡県の1都6県の防衛警備、災害派遣、国民保護等を現在約6,300名の隊員をもって担当しており、これら多様な任務に対応すべく教育訓練を主体とした隊務に取組んでいる。
 この他、国賓・公賓の来日に伴う特別儀仗や自衛隊記念日観閲式といった国家的行事への参加、近年では豪雪被害に伴う災害派遣、東日本大震災における災害復旧や給食・給水・入浴等の支援、山梨県内森林火災に対するヘリコプターでの延焼状況の確認と空中消火活動を実施し日頃の訓練成果を発揮している。
 また、国際貢献活動においてもゴラン高原での後方支援活動、イラク復興支援活動、国連ネパール政治ミッション、ハイチ国際平和協力業務等に参加している。
国家的行事への参加

羽田空港における第1特科隊による祝砲
 第1師団は日本の首都である東京都の防衛警備を担当しており、即位の礼への参加、国賓・公賓の来日に伴う歓迎行事において、と列・礼砲を実施している。
 第1特科隊は羽田空港においてスペイン国国王の来日に伴い礼砲を実施。日本とスペイン国の親善関係の一層の深化に寄与した。
国際貢献活動

ジブチでの警備行動に任ずる隊員
 第1師団は派遣海賊対処行動支援(DGPE)第5次要員として職務を遂行した。活動拠点となったジブチは日本から約1万km離れたアフリカ大陸の北東部のソマリア沖アデン湾に面した位置に有る。
 ここは欧州や中東・東アジアを結ぶ重要な交通の要衝であり、日本のみならず国際社会にとって重要な地域であり、安全確保に当たる為、司令部・業務隊・警衛隊の要員として第34普通科連隊が主力となって、統合任務部隊として海上自衛隊と共に各国軍隊と協力し合いながら職務を遂行した。
災害派遣活動

災害派遣現場で腰まで浸かって土砂を排除する隊員
 第1師団は自然災害を始めとする災害発生時には地方公共団体等と連携・協力して被災者や遭難した船舶・航空機の捜索・救援、医療、防疫、給水、人員や物資の輸送等の様々な活動を行っている。
 第1師団HPより
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
令和4年度 第一師団 第一回 訓練検閲開始
あらゆる困難を克服して任務完遂

統裁官 兒玉師団長による訓示
 第1師団は5月31日から6月8日迄の間、北富士、東富士演習場等において、第1普通科連隊等の対抗部隊として、第32普通科連隊、第1特科隊、第1高射特科大隊及び第1通信大隊に対して訓練検閲を実施した。
 本訓練検閲は「徒歩行進に引き続く陣地攻撃」を訓練課目として実施し、更に32普連及び1特に対しては「対ゲリラ・コマンドウ」についても課目として付与しその練度を確認した。訓練検閲実施にあたり統裁官(師団長)は「勝利への執念」、「創造的破壊」、「非戦闘損耗の極限」、「自ら学べ」の4点を要望した。

住民混在化での武装工作員捜索の為の検問
 5月31日から6月1日の間、32普連及び1特は、治安出動次いで防衛出動下令下において住民混在下で武装工作員への対処を計画した。
 両部隊は住民の安全確保を最優先事項として行動し、警察・自治体等との各種調整、作戦地域でのスクリーニング等を実施、最終的に潜伏等する武装工作員等を捜索・撃滅して任務を達成した。

 潜伏等する武装工作員の捜索・撃滅
 6月2日から3日の朝にかけて32普連は約40km、1特、1高大及び1通大は30kmの徒歩行進を実施し、引き続いて東富士演習場に展開する敵先遣戦闘団(1普連基幹)に対して攻撃開始した。

32普連の攻撃を支援するFH-70による射撃
 攻撃開始に先立ち、1特及び1高大は北富士演習場に陣地占領、また1通大は大隊主力を同じく北富士演習場、一部を師団主力が終結する松本駐屯地に展開されると共に、高ボッチ山、甘利山及び富士スバルラインの要地に中継所を開設して、先遣32普連と師団主力との間の指揮連絡を確保する為のシステム通信組織を作戦間維持運営した。

攻撃前進する32普連の隊員
 3日、32普連は1中隊を平塚道沿いに、4中隊を戦車道沿いにそれぞれ前進させ、敵警戒部隊を駆逐すると共に、同日15時頃、3中隊及び5中隊を並列して攻撃させ狐塚から大野一帯を確保し明朝以降の敵主陣地に対する攻撃の態勢を確立した。

1高大による対空援護
 この際、1特は32普連の攻撃発揮の条件を作為する為、敵第一線陣地及び敵砲迫部隊を重視して制圧すると共に、積極的な対砲迫戦の実施により、敵砲迫の火力発揮を妨害し無力化させた。また1高大は、近SAM1コ分隊を32普連に、短SAM2コ小隊及び近SAM1コ分隊を1特にそれぞれ同行させて対空援護を実施した。
 その他、1通大は師団長より「作戦の終始を通じて戦略的コミュニケーション(以下SC)に資する映像を作成し、師団の作戦環境を有利にせよ」との指針を受け、必要な映像資料の撮影を行い、作戦間4本のSC映像を作成・編集し、師団司令部に提出した。  4日、32普連は1特の攻撃準備射撃の下、連隊攻撃目標に向け攻撃を開始、5日夕には目標地域の確保に成功した。

1通大による戦略的コミュニケーションに資する映像作成
 6日、32普連長が師団長に事後の防衛構想について報告した時点をもって、本訓練検閲の状況を終了した。
試練を乗り越え レンジャー帰還

教育課程を終了して連隊長からレンジャーき章授与
 第1普通科連隊(連隊等 小倉1佐)は6月26日、練馬駐屯地において令和4年度部隊集合教育「レンジャー」の帰還式を実施した。
 帰還式で連隊長は、各部隊、隊員家族等が見守る中、無事想定訓練を終えた18名に対して「レンジャーとはあらゆる厳しい環境で任務に望まなければならない。確実に任務を果たし国民を守ること」と訓示すると共にレンジャーき章を授与した。
師団最先任上級曹長交代式

上下番する最先任上級曹長
 中村准尉は第1偵察隊で最先任上級曹長として勤務した後、師団最先任上級曹長に上番した。上番にあたり中村准尉は「我々日本の戦士たる陸上自衛官は、武士道を実践すること自体が、日本の確信的伝統を継承しつつ、日本を守ることだという教えを私は受けてきました。自ら日本伝統文化の体現者となり、指揮官補佐に徹し、健全でかつ実戦に即応できる隊員の育成に力を尽くします」と決意を述べた。なお、7月31日付で下番した大久保前最先任上級曹長は、東部方面隊総監部付隊(朝霞)へ栄転した。
第1師団司令部広報班

東京都防衛協会会報第25号(04.07.01)特集記事
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
第1師団創立60周年・練馬駐屯地創設71周年記念行事
3年ぶり! 練馬駐屯地に地域住民活気溢れる
 第1師団は4月10日、練馬駐屯地において「第1師団創立60周年・練馬駐屯地創設71周年記念行事」を挙行し、第1師団及び練馬駐屯地に対する地域住民の理解と信頼を深めるととも、隊員の使命の自覚と士気の高揚を図った。
 当日は天候に恵まれ、招待者、師団の協力者や地域住民等約2千3百人が駐屯地を訪れた。

ヘリコプターからリぺリングにて式典会場に入る 師団長・副師団長
 式典は、執行者(師団長)及び観閲部隊指揮官(副師団長)のリぺリングによる入場から始まった。その後、観閲部隊の人員767人が師団の威容を示した。
 式辞で師団長は
「我が国周辺の安全保障環境はこの60年間で最も厳しい情勢となっている。まさに、自衛隊の真価が問われる時代、国民の生命・財産を守り抜くため、還暦を迎え0歳に戻ったように原点に立ち返り首都防衛の備えを完整させていこう」
と観閲部隊に訓示した。
 また来場者に対し
「第1師団は最後の最後の砦です。ただし、第1師団約6千名のみで首都機能を維持することは不可能です。 警察・消防・海保・地方自治体等公共機関の皆さんの協力が必要です。電気・ガス・水道・通信・交通・医療などの指定公共機関のライフラインは首都機能の生命線です。防衛産業は日本の防衛力そのものです。フル稼働で装備品等の補給・整備をお願いします。自衛隊OBの先輩方、有事の際は、もう一度自衛官になって銃を取ってください。そのためにも健康にご留意を。そして最後にご来場の都民・県民の皆様、引き続き自衛隊の行動に関するご理解ご協力をお願いします。加えて、普段自衛隊とは中々接することのない市民の皆様に我が国防衛や自衛隊の現状について啓発していただければと思っています」
と式辞を述べた。

記念式典で挨拶する小池百合子東京都知事
 小池東京都知事は「首都東京、都民・国民の生命と財産を守るため、兒玉師団長の指揮の下、強い責任感と使命感をもって任務に精励されることを心から期待いたします」と祝辞を述べた。
 本年度の記念行事は、観閲行進は行わず、各部隊の特性を活かした動的展示と静的展示による部隊紹介を行った。特に注目を浴びたのは今年度より新編された第1偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車の迫力ある性能展示であり来場者のどよめきと大きな拍手がわき起こった。
 装備品展示では、各種装備品がどの様に機能を発揮するかについて、来場者に分かりやすく理解して頂く為、装備品の動的な展示をツアー形式で行った。間近で動く装備品を見て、来場者からは「初めて近くで動いているのを見て感動しました。迫力があって格好良いです」等の感想があった。
 また、装輪車体験試乗や自衛隊体験のイベントの他、駐屯地食堂では記念会食が和やかに行われ、行事は成功裏に終了した。
(第1師団司令部 総務課 広報班)

東京都防衛協会会報第24号(04.04.01)特集記事
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
第40代 第1師団長 兒玉恭幸 陸将 着任
統率方針「全ては 任務が基準」

第40代師団長 兒玉恭幸 陸将
 第40代師団長として兒玉 恭幸(こだま やすゆき)陸将が12月22日付で着任した。
 兒玉師団長は練馬駐屯地において、慰霊碑に献花した後、儀じよう隊の栄誉礼を受け着任式に臨んだ。
 着任式においては、師団各部隊が整列する中、儀じよう隊及びらっぱ隊の行進儀じようにより式場に入場した。
 着任の辞の中で師団長は
「統率方針は『全ては任務が基準』である。師団の主要な任務である首都圏の防衛と首都直下地震対応の任務遂行上、それぞれの訓練・業務はプラスになるのか? 訓練・業務を行うことで部隊が強くなるのか? が私の唯一の判断基準である。
 教育訓練・情報・兵站は言うまでもないと思うが、表彰・懲戒・広報・厚生業務や休暇の与え方等、陸自の業務のあらゆる分野に部隊を強くする方法や要領があるはずであり工夫をしてもらいたい。
 我々の存在意義は、防衛・警備の任務を完遂することにある。任務を完遂できない部隊に存在意義はない。司令部幕僚はもちろん、各級指揮官及び一隊員に至るまで、任務遂行を基準に考え行動せよ」
と述べるとともに『創造的破壊への挑戦』『地域との連携の強化』『迷ったら報告せよ』『家族を大切に』の4点を要望した。
 着任式に儀じよう隊長として参加した第1普通科連隊 第4中隊の阿賀3尉は「第1師団の第1印象となる儀じよう隊の任務の重責を自覚し、その威容を示すため、一挙手一投足に気を配り、全力で臨みました。儀じよう隊という貴重かつ光栄な任務を担当できたことを大変誇りに思います」と話した。
 また、らっぱ隊長として参加した同連隊 第3中隊の安川3曹は「伝統ある第1師団のらっぱ隊の吹奏技術・基本教練の練度を顕示する強い気持ちで、着任式に臨みました。第1師団らっぱ隊は日本一であり、日本一のらっぱ隊の先頭を歩けて光栄でした」と話した。
米軍との連携 更に強化(32普連)
 第32普通科連隊は12月1日から15日迄の間、アメリカ合衆国ワシントン州ヤキマ演習場において令和3年度米国における米陸軍との実動訓練(ライジングサンダー21)に参加した。
 訓練では連隊長 木場1佐以下、約130人の隊員と、米陸軍第2歩兵師団第2ストライカー旅団戦闘団に所属する第1‐17歩兵大隊C中隊基幹約140人が共同して、日米普通科(歩兵)部隊の相互運用性及び戦闘技量の向上を図った。
 本訓練の山場となる総合訓練では、日米の対戦車ヘリコプターによる共同攻撃準備射撃、迫撃砲による共同前進支援射撃、狙撃班による共同での敵部隊減殺等の共同作戦を実施し、それぞれ所望の成果を獲得した。
 狙撃班長として参加した本部管理中隊の阿部1曹は「言葉の壁に不安があったが、訓練を重ねるうちに相互に打ち解け合い、意思疎通が図れるまでになった。特にお互いの観測手を入替えての射撃など貴重な体験をすることができ、日米両国の絆が深まることを肌で感じることができた」と話した。 

日米共同実働訓練 狙撃班として訓練
硫黄島で日米合同慰霊(1普連)
 第1普通科連隊は12月11日、硫黄島協会及び米国硫黄島協会(元米国退役軍人会)が共催する日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式に、防衛省自衛隊を代表する旗衛隊として参加した。
 追悼顕彰式は硫黄島において散華された日米両国の英霊を慰霊・顕彰して、その冥福を祈念することを目的としている。硫黄島戦50周年である平成7年に第1回が開催されてから今回で22回目となり、当日は天候にも恵まれ、晴天の中での厳かな式となった。

国旗を報じる日米両国の隊員
(第1師団司令部 総務課 広報班)

東京都防衛協会会報第23号(04.01.01)特集記事
東京都殉職隊員追悼式ー哀悼の誠を捧ぐー
 練馬駐屯地業務隊は11月6日、駐屯地体育館において、令和3年度東京都殉職隊員追悼式を行い、90柱の殉職隊員に対して哀悼の誠を捧げた。
 追悼式は相薗駐屯地指令(副師団長)を執行者として、殉職隊員の遺族、東京都知事代理 原田危機管理監をはじめとする来賓、陸海空の自衛官が参列し、厳かに執り行われた。参列者は第1普通科連隊儀じよう隊の捧げ銃に合わせて第1音楽隊が吹奏する『国の鎮め』が流れる中、拝礼、黙とうを捧げた。
 次に執行者と来賓代表の東京都知事代理危機管理監、東京都防衛協会会長代理 武内理事長が追悼の辞を奉じ、御霊の功績をたたえるとともに冥福を祈った。引き続き献花、追悼電文披露、遺族代表挨拶、拝礼を行い、最後に弔銃を行い、式はしめやかに終了した。

第1普通科連隊隊員による弔銃
第2回 師団訓練検閲 3個部隊評価
 師団は10月21日から30日の間、東富士演習場において第1飛行隊、第1師団司令部付隊及び第1音楽隊の訓練検閲を実施した。本検閲は約30キロの徒歩行進と師団の陣地防御を検閲課目として行われ、師団は9日間にわたって各部隊の練成訓練の成果を評価した。
 訓練検閲に当たり統裁官(師団長)は「創意を尽くして積極的に師団の作戦に寄与せよ」の一点を要望、戦闘支援職種であっても、待ちの態勢に陥ることなく、自ら考えて行動する意識を受閲部隊隊員に植え付けた。
 本検閲において師団は、受閲部隊全隊員のバトラ装着による敵を意識した行動の習性化、現地、現物、現実の「3現」による設想を排除した実戦的かつ厳しい訓練を追求した。飛行隊には、生地の場外着陸場も活用しつつ、敵の集結地である浜松から我の方面兵站基地である関山までの間で、航空偵察や緊急患者空輸等の任務を付与した。
 また音楽隊には、司令部付隊に配属された警備部隊として師団司令部の警備を実施する傍ら、指定充足要員の士気高揚のための音楽演奏の任務を与え、音楽隊の本職での実力発揮の機会を付与した。
 加えて師団司令部付隊は、演習師団司令部及び統裁部で勤務する司令部勤務班の要員も受閲対象とし、全隊員が戦術行動前の徒歩行進に参加するとともに、統裁部要員も個人装具を常に装着して統裁に参加することで、平素から勤務場所等が異なる隊員の一体感を醸成する機会とした。
 長期に及ぶ訓練検閲であったが、各受閲部隊は今までの練成訓練の成果を遺憾なく発揮し、その任務を完遂した

指揮所警備する第1師団付隊の隊員
国民の自衛官 表彰式
 10月5日、ホテルグランドヒル市ヶ谷において「第19回国民の自衛官」の表彰式が行われた。
 第1飛行隊 岡崎3佐が災害派遣等34件、延べ165日間にわたり活動するとともに約23年間、操縦士として4800時間の無事故飛行継続、教官として後輩を育成した功績で受章した。

第19回国民の自衛官表彰式で受賞する岡崎3佐
(第1師団司令部 総務課 広報班)

東京都防衛協会会報第22号(03.10.01)特集記事
東京2020五輪・パラリンピック競技大会協力等任務遂行
 防衛省・自衛隊では東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会成功に寄与する為、セキュリティーの万全と安全安心の確保並びに自衛官アスリートの育成及び競技力の向上について所要の準備を進めて来たが、更に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会からの依頼に基づき式典等大会運営への協力を行って来た。9月5日をもってその任務を完遂した。
セキュリティー の万全と安全・安心の確保
 競技会場周辺を含む上空の警戒監視・大規模自然災害等が発生した場合の被災者救出支援・サイバーセキュリティ対策 等の任務に従事し、大会の安全・円滑な準備及び運営並びに継続性を確保した。
(下段のQRコード参照)
アスリートの育成及び競技力の向上
 自衛官アスリートは自衛隊体育学校の選手17名が東京オリンピックの日本代表として10種目の競技に選出され参加した。
(下段QRコード参照)
式典等大会運営への協力
・自衛隊法第100条の3に基づき約8500名の隊員で協力
・国旗等掲揚への協力 ・射撃競技会場における医療サービスへの協力
・自転車競技における救急搬送への協力
・セーリング競技における海上救護への協力
・会場内外の整理協力
・アーチェリー競技、射撃競技及び近代五種競技における運営協力
 大会組織委員会から依頼され協力内容を実施する為、陸・海・空自衛隊の隊員により、東部方面総監が担任し、幕僚副長の安田百年陸将補が団長となり「東京2020オリンピック・パラリンピック支援団」を編成した。またセーリング競技における海上救護への協力は海上自衛隊横須賀地方総監部が担任した。
大会成功に向けた支援体制
支援に当たる部隊の編成完結
 7月18日、前述の協力内容を行う為、陸上自衛隊東部方面総監を担任として競技会場等で警備や医療支援に当たる陸・海・空自衛隊による「東京オリンピック・パラリンピック支援団」の編成完結式が朝霞駐屯地(東京都練馬区等)において行われた。
 岸信夫防衛大臣は全国から集まった陸・海・空自衛官約300名を前に「開催に当たっては新型コロナの影響も有り様々な議論は有ったが、開催の時期は来た。
 我々が行う事は支援を確実に実施し、選手団が能力を存分に発揮出来るようにする事に尽きる」と述べ、「大会の価値をしっかりと認識し一丸となって日頃の任務や訓練で培った能力とチームワークを発揮して欲しい」と激励し、「一人一人が持てる力を最大限に発揮する事を強く期待する」と訓示した。

東京オリンピック・パラリンピック支援団編成完結式(防衛省HPより)
都内上空での展示飛行
 東京都からの依頼に基づき東京オリンピック競技大会開催日の7月23日(金)・パラリンピック競技大会開催日の8月24日(火)にブルーインパルスの展示飛行が東京都内の上空で行われた。 
 内容はカラースモーク等を使用したオリンピックシンボル等の展示を行う飛行だった。

新宿上空で展示飛行するブルーインパルス(八王子市防衛協会 矢野 聡 氏 撮影)
任務完了による支援団の解散
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会が終了した9月5日、任務を完遂した支援団は解散された。
 「オリンピック・パラリンピック両大会期間中は猛暑に見舞われつつも、関係者の方々、国民・地域の皆様と気持ちを一つにして選手の活躍を祈り、自衛隊として大会運営の一翼を担う事が出来た。その誇りは隊員の心にいつまでも残り、今後の任務遂行に活きる事と確信する」との言葉に続き、最後は「今後とも東部方面隊の活動についてより一層のご理解・ご協力をお願い申し上げます」という主旨の挨拶が担任し
防衛省・自衛隊のホットな情報
東京都防衛協会では会報に防衛省本省並びに自衛隊の部隊及び機関におけるホットな話題について本コーナーでQRコードを使って紹介し気軽にアクセス出来るように致します。ご活用下さいますようお願い申し上げます。
防衛省HPから
オリパラを支える自衛隊
東京オリンピック
自衛官選手の活躍
東京地本HPから
自衛官募集動画
躍動する自衛隊
大雨に係る災害派遣(1師団)
師団300人態勢による人命救助活動 熱海市へ
 師団は静岡県熱海市における記録的な大雨の影響による土石流発生に伴い、令和3年7月1日からの大雨に係る災害派遣を実施した。
 7月3日、静岡県知事からの災害派遣要請を受け、34普連を基幹として第1戦車大隊、第1施設大隊とともに人命救助活動を実施するほか、第1後方支援連隊、第1通信大隊、第1飛行隊、第1師団司令部付隊はそれぞれの機能をもって活動を行った。
 また第32普通科連隊が8日、1戦大と部隊交代を行い、人命救助活動を引き継いだ。

人命救助活動する第34普通科連隊の隊員
防衛大学校第3学年の部隊実習支援(1師団)
 第1師団は7月2日から25日までの間、防衛大学校第3学年の部隊実習を担任し幹部自衛官の地位・役割を理解させるとともに、部隊の実情を体験させ陸上要員として必要な知識技能の向上を図った。
 実習初日、学生27名に対し、師団長訓話を実施するとともに、師団司令部の業務研修を行った。 師団長は「防大教育の本質と自衛隊」について訓話した。
 その後、学生は5日から21日の間、各普通科連隊に分かれ、小部隊の行動を理解させる目的で、野営を含む各種訓練(徒歩行進、機関銃射撃、地図判読、分隊攻撃、野戦築城、各種火器の射撃研修、服務実習等)を行った。
 部隊実習の終末は、師団統制実習として、第1飛行隊のUH‐1の体験搭乗を実施するとともに、師団管内の隷下各職種部隊研修により締めくくった。

師団長から訓話を受ける防衛大学校第3学年学生
機上からの機関銃射撃訓練(1師団)
 師団は6月15日から19日までの間、佐多対空射撃場(鹿児島県)において多用途ヘリコプターからの機関銃射撃訓練を実施した。
 本訓練は第32普通科連隊長を担任官として、各普通科連隊、第1飛行隊より選抜した機関銃射手に対し、機関銃射撃練度の維持及び指導能力の向上を図ることを目的に実施し、ヘリコプターによる平行移動の射撃及び低空における射撃を行って練度向上を図った。
 訓練を通じて隊員たちは、射撃の特性や技術について相互に意見交換して練度の向上に努め、所望の成果を収めて本射撃訓練を終了した。
 訓練に参加した32普連1中 小川3曹は「機関銃射撃は練成のとおり円滑に実施出来たが、実際にヘリコプターから500メートルの射距離で実施したところ、射弾が散ってしまいドアガン射撃の難しさを感じた。この反省点を生かし次回の射撃に繋げたい」と話した。

多用途ヘリコプターからの機関銃射撃訓練
新たなレンジャー 隊員誕生(32普連)
 第32普通科連隊は7月5日、大宮駐屯地体育館において第39期部隊集合教育「レンジャー」の帰還報告を実施した。
 各部隊、隊員家族等に見守られる中、無事想定訓練を終えた19人(32普連15人、中央即応連隊3人、第1施設大隊1人)に対して連隊長はレンジャーき章を授与した。

連隊長からレンジャーき章を授与される隊員
(第1師団 広報班)

東京都防衛協会会報第21号(03.07.01)特集記事
唯一無二 最強の頭号師団創造

前左から副師団長、師団長、幕僚長 後左から旗手内藤2曹、最専任上級曹長
 第1師団は4月12日、練馬駐屯地において、第1師団創立59周年記念行事を挙行した。
 今回の記念行事は、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置が東京都に適用されたことから、練馬駐屯地に所在する各部隊長のみの参列とし、立川、朝霞、大宮、板妻、駒門、北富士駐屯地に所在する部隊長はテレビ会議システムにより参加した。
 式辞において執行者である師団長は
「師団創立59周年にあたり、これまで諸先輩が築いてこられた頭号師団の歴史と伝統の重みを深く認識するとともに、引き続き国民の皆様の負託に応えていかなければならない。要望事項『楽しく全力を出そう!喜んで全力を出させよう!』の求めるところは極めて厳しいものである。引き続き諸官と共に汗を流しつつ心を通わせ、唯一無二の最強の頭号師団を創造して行こう。第1師団全隊員が、要望事項を具現すべくひたむきに、はつらつと職務を全うすることを期待する」
と述べた。
ぶれない心で 任務に邁進

上級曹長制度について講話する師団最専任上級曹長
 第1師団は3月22日から26日の間、練馬駐屯地において令和2年度第2回先任上級曹長集合訓練を実施した。  本集合訓練は師団最先任上級曹長を担任官とし、師団の中隊先任上級曹長及び上番予定者に対して行った。訓練参加者は5日間の訓練を通して様々なグループ研究に取組み、自己の職務を分析し、先任上級曹長としての具体的な目標を導き出した。
 師団長は訓話において「本当に強い師団を支えるのは中隊であり、先任上級曹長への期待は極めて大である。指揮官の女房役、隊員たちの母親役、事務室の長、そして人生の先輩の役割を自覚しつつ成長して欲しい」と述べた。
 訓練に参加した第1施設大隊斎藤准尉は「本訓練で学んだことを准曹士の指導及び教育に生かし、ぶれない強い心をもって先任上級曹長の任務にまい進していきたい。またともに学んだ先任上級曹長との横のつながりを大切にして部隊間の連携も図っていきたい」と所見を述べた。
師団優秀隊員表彰

表彰状授賞式 師団長から受賞者へ
 第1師団は3月20日、令和2年度師団優秀隊員招待行事を実施した。
 本行事は職務遂行、教育訓練等で特に活躍し、師団の隊務運営に著しく貢献した隊員の功績を称えるとともに、隊員を支えてきた家族に対して感謝の意を表すことを目的とし、優秀隊員及びその家族を招待して師団長からの表彰状授与、記念撮影を行った。   
第1師団司令部総務課広報班師団
       
東京都防衛協会会報第20号(03.04.01)特集記事
史上最大の第2次師団訓練検閲
3個部隊の教育訓練成果を評価
 第1師団(師団長 陸将 大庭秀昭)は11月27日から12月6日までの間、東・北富士演習場において第32普通科連隊、第1後方支援連隊及び第1通信大隊に対して、教育訓練の成果を評価するとともに、その進歩向上を促すことを目的として「令和2年度第2次師団訓練検閲」を実施した。
 本訓練検閲は徒歩行進・陣地防御を検閲課目として行い、32普連は師団の先遣戦闘団としての行動、1後支連は師団の後方支援連隊としての行動、1通大は師団の通信大隊としての行動を主要検閲項目とし、師団主力の決戦に寄与するための作戦を焦点として実施した。
 その中で、戦闘間における補給品の受領・交付・輸送に係る業務は実際的な尺度をもって実施し、各兵站施設においては弾薬4801箱、燃料1236本、糧食4942箱を受領・交付する他、東部方面混成団と連携して師団として初となる、第31普通科連隊の即応予備自衛官による実員補充により、実際的な補給・補充要領を演練した。
 訓練検閲実施に当たっての統裁官(師団長)要望事項「実戦であることを肝に銘じて戦闘せよ」
第32普通科連隊

第32普通科連隊に配属された即応予備自衛官
■第32普通科連隊は約40キロの徒歩行進の後、約4日間にわたり防御準備を実施した。
 じ後、前方地域の戦闘において第4中隊が戦闘前哨として敵の攻撃を警告した。
 第一線陣地においては第1中隊、第2中隊及び第5中隊が、第二線陣地では第3中隊及び前方地域から後退した第4中隊が敵機械化部隊の攻撃を阻止し、防御戦闘4日目の朝、状況を終了した。
 優秀隊員に選ばれた第2中隊 野村3曹「87式対戦車誘導弾 弾薬手として訓練検閲を受閲するにあたり、自分の職務だけではなく、いつ指揮を継承してもいいように日頃から上位職についても演練してきました。その結果、分隊長として指揮の継承をした時、戦車4両を撃破し、中隊の任務達成に寄与することができました」と話した。
第1後方支援連隊

患者を治療する第1後方支援連隊
 第1後方支援連隊は約30キロの徒歩行進の後、北富士地区に前進し速やかに師団段列を開設して、兵站・衛生支援を実施した。
 第1整備大隊は各種整備施設を開設・運営し、第2整備大隊は第2普通科直接支援中隊を第32戦闘団へ配属し、各種支援を実施した。
 補給隊は作戦の終始を通じて先行的かつ間断のない補給等の支援を、輸送隊は補給品等の継続的な輸送支援を、衛生隊は上級部隊の衛生組織と連携した作戦準備により衛生支援に万全を期することで、師団の作戦の終始を通じて、効率的かつ継続的な支援を実施して師団の物的・人的戦闘力の維持・増進を図り、それぞれの任務を完遂した。
 優秀隊員に選ばれた衛生隊 山口2曹「治療隊衛生救護陸曹として、トリアージに基づく患者の受入から治療までの連接を確実に実施できるように着意するとともに、若年隊員に対して実戦を意識させることを徹底し、人的戦闘力の維持・増進ができるように指導し、隊の任務達成に大きく貢献することができました」話した。
第1通信大隊

多重有線回線を構成する第1通信大隊
■第1通信大隊は約30キロの徒歩行進の後、東・北富士地区へ展開し、速やかに師団前方指揮所、師団段列及び第32戦闘団との間に、先遣の防御戦闘に必要なシステム通信組織を構成するとともに、東・北富士地区に展開する各指揮所間の約40キロに多重有線回線を構成し、坑堪性あるシステム通信を構築した。
 また師団主力の前進時には、松本地区から北富士地区までの間、6コ無線中継組を推進し、師団主力の前進に必要な通信を確保した。
 防御戦闘開始以降は再編成及び予備通信力の運用により、回線保守の徹底、障害発生時の迅速な復旧に努め、任務を完遂した。
 優秀隊員に選ばれた坂口2曹「小隊陸曹兼構成1組長として約40キロにわたる多重有線回線の見積り計画、構成を行いました。これまでにない長い距離であった事から気力・体力を維持し必通の精神の下、任務完遂できたことで更なる自信に繋がりました」と話した。

東京都防衛協会会報第19号(03.01.01)特集記事
東京都殉職隊員追悼式
 師団は10月31日、練馬駐屯地において東京都殉職隊員追悼式を実施し、90柱の殉職隊員に対して哀悼の誠を捧げた。  追悼式は大庭師団長を執行者として、殉職隊員の遺族、東京都知事代理 小林危機管理監をはじめとする来賓、陸海空の自衛官が参列し、厳かに執り行われた。
 参列者は第1普通科連隊儀じよう隊の捧げ銃に合わせて第1音楽隊が吹奏する『国の鎮め』が流れる中、拝礼、黙とうを捧げた。
 次に執行者と来賓代表の東京都知事代理危機管理監、東京都防衛協会会長代理 武内理事長が追悼の辞を奉じ、御霊の功績を称えると共に冥福を祈った。
 執行者は「私どもは国家のために立派に使命を果たされた御霊の尊い志を受け継ぎ、今後とも、陸・海・空自衛隊の心をひとつにして、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応えるべく全身全霊で職務に邁進することをここに固く誓います」と追悼の辞を述べた。
 引続き献花、追悼電文披露、遺族代表挨拶、拝礼を行い、最後に弔銃を行い式はしめやかに終了した。
第36回ふれあいコンサート(1音隊)
「明るい明日、明るい希望」テーマに
 第1音楽は10月24日、板橋区立文化会館においてラッパ隊(第1普通科連隊)及び朝霞振武太鼓(第1施設大隊)の参加の下「第36回ふれあいコンサート」を実施した。実施にあたり、コロナウイルス感染症対策として、会場の収容定員人数を半分以下にしてソーシャルディスタンスを確保した事から、例年1回公演のところ2回公演とし多くの方々に楽しんで頂いた。
 本コンサートは第1景から第5景の構成で行い、第2景はらっぱ隊との演奏、第3景において中島みゆき作曲の「時代」を橋元1曹・遠藤2曹・平田3曹・長岡3曹のコーラスの下、森本3曹が歌を披露した。第4景においては朝霞振武太鼓とともに、アニメ鬼滅の刃の主題歌「紅蓮華」を演奏し、その迫力により、さらに観客を魅了した。第5景では「モリコーネ・パラダイス」の曲でサクソフォン担当の佐野3曹がソロパートを演奏、クラシックの世界観に観客を包み込んだ。
 最後に「希望の歌〜交響曲第9番〜」をもって、第36回ふれあいコンサートはフィナーレとなった。
 観客からは「5つの構成がイメージ通りの曲で、とても分かりやすく感動しました」との感想が寄せられた。  サクソフォンを担当した佐野3曹は「音楽には人の心を動かす力があると思います。コロナ禍の大変な時期でしたが、これからの明るい希望への願って思いを込めて演奏しました」と本コンサートの思いを話した。

ステージ客席一帯となったコンサート

東京都防衛協会会報第18号(02.10.01)特集記事
新型コロナと戦う自衛隊中央病院
クルーズ船対応
 病院は、1月初旬の中国での原因不明肺炎の報道から情報収集を開始し、1月27日以降は、武漢からの帰国者受入れを想定した準備を開始しました。政府チャーター機内での検疫支援看護官を派遣するとともに、東京都からの要請で同機に搭乗していた有症患者5名を受入れました。
 次に、乗員・乗客3711人のクルーズ船で患者が発生したため、1月31日〜3月16日の間、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に係る災害派遣活動」として対応しました。
 この期間中に受入れた陽性患者は、クルーズ船関係109名を含め128名であり、16の国と地域の外国籍の患者67名が含まれていました。これにあわせ、当院でも入院患者のPCR検査が出来る態勢を整備し約500件の検査を実施しました。
 患者増加に伴い段階的に感染症病床を拡張して受け入れる構想でしたが、実際の患者増加は、見積もりを上回るものでした。収容基準を1室1名から1室数名へ変更し、100名を超える患者を受入れました。
 また、院内感染防止においては、一般患者や職員の動線と感染症患者の動線を可能な限り区別するとともに感染症患者対応要員も専従化しました。個人防護及び病院施設の特性に応じたゾーニングも徹底しました。
 更に、全国の自衛隊病院や部隊から医官、看護官、通訳等支援を受けることができ、このおかげで任務を遂行することができました。
  
チャーター便での帰国者に対し問診する看護官    病室へ入室するクルーズ船の乗客  
(自衛隊中央病院総務課)
市中感染対応
 東京都は感染者の急激な増加に伴い、感染症指定医療機関に、重篤・重症患者用病床を5床、中等症患者用病床を40床確保するように要請しました。当院は都の要請に基づき、中等症以上の患者受入れ態勢を整備しました。 市中感染期には、各地で患者が発生していたため、全国の自衛隊病院からの支援を受ける事が出来ず、当院の隊力のみで運営しました。
 当初、人工呼吸器管理が必要な重症患者は1〜2名でしたが、4人に増え、それが続く状態になりました。更に酸素吸入を必要とする患者が10人近くなると、医師・看護師の負担は大きくなり、更なる病棟集約を行い対応しました。
 そのような中にあっても、計画的に戦力回復を行い、蓄積した疲労の軽減に努めました。精神科医官や心理職隊員でメンタルサポートチームを編成し、病棟等活動現場への巡回、メンタルヘルス教育、全職員に対するメンタルヘルスチェック等を実施する等、職員に対するメンタルヘルスケアを行いました。
  
自動ファン付呼吸用防護衣を着用し重症患者を処置 ナースステーションでの勤務風景  
(自衛隊中央病院総務課)
今後の対応
 今回の対応から、院内感染防止・医療事故防止は、直接的には、平素の取組み(教育・訓練、マインドの醸成)、各種会議等での徹底、現場確認・指導・徹底(担当者から病院長まで)が有効だったと考えています。
 間接的には、情報共有(各種会議等)、余裕を持った勤務態勢の確保と休養、必要な資器材の補給・整備、心身の健康管理が有効だったと考えています。
 当院はクルーズ船からの100名を超える患者を受入れる事により、感染症対処初期の医療崩壊を防止し、市中感染期においては、地域の患者を受入れる事で、地域医療に貢献出来たものと考えています。
(自衛隊中央病院総務課)
中央病院の沿革及び概要
【自衛隊中央病院の沿革】
 自衛隊中央病院は昭和31年、防衛省職員の職域病院として開設され、平成5年に保健医療機関の指定を受け、地域の方々の診療も開始しました。平成22年から救急告示病院として一般救急患者の受入を開始、平成28年には二次救急医療機関として、平成29年に第一種感染症指定医療機関として東京都の指定を受けています。
【自衛隊中央病院の概要】  
 29の診療科及び500病床を保有し、陸海空自衛隊の最終後送病院として診療及び職員の教育訓練等を実施しています。 病院本館には、免震機能、大型ヘリコプターが発着可能な屋上ヘリポート及び陰圧機能を有する感染症専用病室を保有しています。有事、大規模災害の際は、病床数を拡張することもできます。 また、通常診療の他、災害及び感染症等の様々な事態に備え「大量傷者受入訓練」及び「感染症患者受入訓練」を毎年実施し、対応能力の向上を図っています。
(自衛隊中央病院総務課)
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
第1師団 防衛大学校学生が部隊実習
知識・技能の向上を図る

防大生に講話する師団長
 第1師団は7月2日から25日の間、防衛大学校第3学年の学生に対し「令和2年度防衛大学校第3学年夏季定期訓練部隊実習」を実施し、幹部自衛官の地位・役割を理解させるとともに、部隊の実情を体験させ、陸上要員として必要な知識・技能の向上を図った。
 当初、訓話において師団長は、学生30人に対し「部隊実習は、初めての部隊経験の場であり部隊の実情、特に隊員の訓練・生活等、現場の真の姿を掴むこと、第1師団の幹部には、原点として部下を死なせないことを心根にすえて、その為に如何にあるべきかを考えよと指導しているので、その実態をよく見て欲しい」等述べた。
 師団統制訓練として7月2日から3日にかけて、練馬駐屯地所在の第1後方支援連隊、第1通信大隊、第1偵察隊、第1特殊武器防護隊、第1音楽隊及び第1師団司令部付隊を研修した後、UH‐1により立川駐屯地に移動して第1飛行隊を研修し、その後、朝霞駐屯地にて第1施設大隊を研修した。また24日には北富士駐屯地の第1特科隊、駒門駐屯地の第1戦車大隊及び第1高射特科大隊をそれぞれ研修した。
 部隊研修前段終了後の4日から23日の間、学生は各普通科連隊において小部隊の行動を理解する目的で連隊等実習を行い、徒歩行進、機関銃射撃、地図判読、分隊攻撃、野戦築城、各種火器の射撃研修、服務実習等を通じて、幹部自衛官としての自己修養の資を得たものと思料する。

徒歩行進する防大生
(第1師団広報班)
2・3佐予備自衛官招集
識能・資質を養う
 第1師団は7月31日から8月4日の間、朝霞駐屯において幹部予備自衛官として職務を遂行するうえで必要な練度を維持するとともに、識能及び資質を養う目的で「令和2年度第1回2佐・3佐予備自衛官招集訓練」を実施した。招集訓練は第1師団司令部 第3部長を担任官とし、第32普通科連隊が招集訓練を担任して、東部方面管内の各地方協力本部に所属する2佐・3佐予備自衛官43名に対し、有事に直結した教育(精神教育、職務訓練、射撃訓練及び体育訓練)を実施し、実りある招集訓練となった。
 招集訓練に参加した家村2佐は「質の高い任務に直結した教育訓練により、職務遂行能力を向上するのみならず、有事や大規模災害時には、馳せ参じて陸上自衛隊の負託に応えなければならないとの自覚を高めることができた」と所感を述べた。

図上戦術で指揮を執る予備自衛官
(第1師団広報班)
北富士で施設合同訓練
陣地構築の練度向上を図る
 第1師団は7月31日から8月7日の間、北富士演習場において第1施設大隊長を担任官として、隷下部隊の陣地構築の練度及び指導能力の向上を図る目的で「令和2年度第2回師団施設合同訓練」を実施した。
 1施大は訓練参加隊員を指導要員グループ45名と、小隊長グループ45名に区分して座学及び実習を段階的に実施した。
 指導要員グループは12人用指揮所簡易掩蓋掩壕及び民生品(ソイルアーマー)を活用した車両用簡易掩蓋掩壕(野外通信システムAN車用)を構築し、掩体の防護性、機能性及び秘匿性のある掩蓋構築物の構築要領を修得した。
 小隊長グループは隊力及び器資材を効率的に運用する為の工程管理要領として工程表作成及び修正を実施した。実習後は各グループ毎に概成した掩体を研修して部隊の陣地防御に繋げる実りある合同訓練となった。    (第1師団広報班)

12人用指揮所掩体構築中の施設科部隊
(第1師団広報班)

東京都防衛協会会報第17号(02.07.01)特集記事
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
第1師団新型コロナ災害派遣
水際対策強化・市中感染拡大  防止に全力
 第1師団は3月28日から、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策強化のため、帰国者等の宿泊施設における宿泊及び輸送支援を実施した。

宿泊施設への輸送支援
 市中感染拡大防止に関しては4月6日、東京都知事より災害派遣要請を受理し、4月7日から、東京都の準備した宿泊施設における無症状・軽症患者に対する宿泊支援を実施するとともに、東京都庁職員等に対する宿泊支援に係るノウハウの継承を実施し、13日に災害派遣の撤収要請を受理し、活動を終了した。

東京都の宿泊施設における 宿泊支援
 また4月13日、埼玉県知事より災害派遣要請を受理し、4月14日から、無症状・軽症患者に対する宿泊支援(ノウハウの継承を含む)及び自治体の輸送力が不足した場合の輸送支援を実施し20日に災害派遣の撤収要請を受理し、活動を終了。
 4月17日、神奈川県知事・千葉県知事より災害派遣要請を受理し、東京都や埼玉県同様の支援活動を実施し26日に災害派遣の撤収要請を受理し、活動を終了した。

埼玉県における輸送支援


千葉県のホテルにおける宿泊支援
 更に、4月27日、茨城県知事より災害派遣要請を受理し支援活動を実施し28日に災害派遣の撤収要請を受理し、活動を終了した。
各教育隊で入隊式
自衛官候補生の船出を祝う
 第1普通科連隊及び第34普通科連隊は4月6日、第32普通科連隊は4月7日、第1特科隊は4月8日、令和2年度自衛官候補生の入隊式を各部隊の教育隊において挙行した。
 入隊式は例年であれば、候補生の家族及び来賓等、多数の参加を得て盛大に行われるが、新型コロナウイルス感染症に対する拡大防止策として、隊員のみで行われた。
 式に臨んだ1普連129名、32普連116名、34普連104名、1特55名の自衛官候補生たちは、元気いっぱいに「宣誓」を行った。 【各教育隊自衛官候補生たちのコメント】

◆1普連教育隊2区隊2班 武田候補生(32歳)は「父親のように体力もあり、すごく頼りになる自衛官になれるよう、日々の体力練成を頑張りたい」と話した。

「宣誓」をする1普連の自衛官候補生
◆32普連教育隊2区隊6班 鈴木候補生(31歳)は「入隊式で宣誓をしてこれから一生懸命訓練に励んでいこうと身が引き締まりました」と話した。

青空の下「宣誓」をする32普連の自衛官候補生
◆34普連教育隊2区隊6班 稲川候補生(18歳)は「身体的、精神的に自分を鍛え、国を守る一員としてしっかり頑張っていきたい」と話した。

区隊旗を授与する34普連隊長
◆1特教育隊2区隊2班 高見澤候補生(19歳)は「自衛官としての道を切り開くべく第一歩として入隊式を無事に終えることができました。少しでも国防の役割を担える隊員になれるよう、日々精進していきたいです」と話した。

辞令書を交付する1特隊長
茨城県大子町で山林火災
1飛が災害派遣活動
 第1飛行隊は3月27日、茨城県大子町花瓶山において発生した山林火災に対して災害派遣要請があり、第12ヘリコプター隊からの支援を受け、空中消火活動及び空中消火活動の統制に当たった。
 約30ヘクタールの延焼規模となったが、28日14時30分に大子町消防本部が鎮圧を宣言、これを受け15時5分撤収要請により災害派遣活動を終了した。   

 UH‐1に消火用バケットを取付ける隊員
(第1師団広報班)
写真コンテスト「特別賞受賞」!
第1師団司令部付隊
 第1師団司令部付隊 佐藤3曹は、陸上幕僚監部が発行する部内広報誌「ARMY」の写真コンテスト「PHOTO OF THE YEAR 2019」に応募し、約1,000作品の中から特別賞(小見哲彦賞)を受賞し、昨年に引き続き2回連続4度目の受賞となった。   
 佐藤3曹は「広報陸曹として大変名誉なことであり、更なる撮影技術の向上を目指す良いきっかけとなりました。今後も部隊の広報活動に寄与できるよう努力していきます」と喜びを語った。

東京都防衛協会会報第16号(02.04.01)特集記事
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
千葉県国民保護共同実動訓練に参加
東京2020オリ・パラ見据えて 関係機関と連携を強化
1月29日、幕張メッセ、千葉県救急医療センター、津田沼浄化センターにおいて行われた千葉県国民保護共同実動訓練に師団司令部、第1普通科連隊、第1後方支援連隊、第1飛行隊が参加した。  本訓練は、東京2020オリ・パラ競技会を見据え、開催会場での実動機関の初動対処能力の向上及び関係機関との連携の強化を図る目的で行われた。そのなかで、師団司令部は、現地調整所における活動全般の調整を、第1後方支援連隊は、トリアージと患者の応急救護及び患者輸送を、第1飛行隊は、救急センターへUH‐1をもって患者空輸を、第1普通科連隊は、警察と連携して施設内から非難した民間人の輸送警護を行った。  各部隊は現地連絡調整所において関係機関と積極的に調整を行い、東京2020オリ・パラに向けた準備を着々と進めている。

輸送警護訓練をする1普連
(第1師団広報班)
令和元年度大隊漕舟競技会及び施設合同訓練記録会
1普連・1特合同チーム 記録会制す
 第1施設大隊は1月20日から24日の間、荒川河川敷において「令和元年度大隊漕舟競技会及び施設合同訓練記録会」を実施した。
 本競技会と記録会は、第1施設大隊及び各部隊の施設隊員の渡河作業、特に漕舟練度の向上を図るとともに、各部隊・中隊の団結の強化及び隊員の士気の高揚を図ることを目的として、施設大隊の中隊(4コ中隊)対抗で行われる第1施設大隊の部と、第1普通科連隊と第1特科隊の合同チーム、第32普通科連隊、第34普通科連隊(4コ部隊3コチーム)による施設合同訓練の部に区分して行われた。
 22日の競技会前日には、大庭師団長が訓練及び機航(げん外機の操作)の練度判定の現場を視察するとともに、23日の競技会及び記録会に臨む隊員を激励した。
 23日の競技会及び記録会は、約2・5`のコースで行われ、第1施設大隊の部では、第3中隊が、施設合同訓練の部では、第1普通科連隊と第1特科隊の合同チームが優勝した。
 今回合同チームとなった第1特科隊の尾沼士長は「当初、船の組み立て方、漕ぎ方も解らず苦労したが、訓練を通じて学ぶことができた。記録会では1連隊の隊員、部隊の先輩隊員と一致団結して優勝をすることができた。この経験を基に、もっと技術を向上させていきたい」と話した。

熱戦となった第1施設大隊の部

優勝した1普連・1特合同チーム
(第1師団広報班)
第1音楽隊 第5回室内楽演奏会
 第1音楽隊は1月24日、光が丘IMAホール(練馬区)において第5回室内楽演奏会を実施した。
 室内楽とは小編成での重奏であり、本演奏会は10組による演奏が行われた。
 普段聴くことのできないパートごとに分かれた演奏や、小編成の多重奏に、会場に集まった大勢の観客は大きな拍手を送っていた。
 特に第2部で演奏された打楽器5重奏「Heads Up!」は、自作の楽器を使用して演奏するほか、観客席まで隊員が移動して間近で演奏する等、一体感を感じさせる楽しい演出となった。

打楽器5重奏
(第1師団広報班)

東京都防衛協会会報第15号(02.01.01)特集記事
私たちの誇り 躍動する自衛隊!
第1師団管内で甚大な被害
台風15・19号に伴う災害派遣 民生安定に寄与
 台風15号により千葉県に甚大な被害が発生して、収束もままならないなか、台風19号による猛烈な雨の影響で、21河川の24カ所で堤防が決壊、大規模な洪水被害が各地で発生した。土砂災害も相次ぎ、孤立状態になった地域も多く、各都県知事より災害派遣要請を受理した第1師団は、捜索や救助活動を実施した。  
▼【台風15号に伴う災害派遣】  
 11日、千葉県知事から災害派遣要請を隊区担当部隊である空挺団が受理し、9月12日に第1後方支援連隊を増援し、香取市へ前進させて給水支援活動を実施した。
 その後、下志津分区に被害の判明に伴い、第1普通科連隊、32普通科連隊、第1通信大隊、第1特殊武器防護隊を派遣し、土砂・倒木の除去、家屋の応急処置等を実施するとともに、16日には第34普通科連隊、第1特科隊、第1戦車大隊、第1高射特科大隊、第1施設大隊、第1偵察隊、他方面隊等の増援部隊を含み約3,000人態勢をもって伐採・給水・入浴の災害派遣活動に従事した。  
▼【台風19号に伴う災害派遣】
 12日、東京都、千葉県、静岡県、13日には、茨城県、埼玉県、神奈川県の各知事からの災害派遣要請に基づき、師団は人命救助を第一義とした即時救援活動を実施した。
 13日以降、第1普通科連隊、第1後方支援連隊は、世田谷区及び大田区において避難支援及び患者輸送を、第1後方支援連隊及び第1施設大隊の機械力をもって狛江市における道路啓開を実施した。
 また、第32普通科連隊及び第1施設大隊は、埼玉県川越市において渡河ボートを活用した人命救助活動を、第34普通科連隊は、静岡県裾野市において行方不明者の捜索を実施するとともに、同県小山町において、施設に流入した土砂の除去を実施した。
 その後、生活支援活動として、第32普通科連隊は埼玉県秩父市において、第34普通科連隊は静岡県函南町において、第1戦車大隊は静岡県熱海市において給水活動を実施した。第1施設大隊及び第1飛行隊は、物資輸送として、東京都奥多摩町の孤立地域に対し、ヘリコプターによる物資輸送を実施した。  
(第1師団広報班)

ブルーシートを屋根にかける第1特科隊


救助活動を行う第32普通科連隊
インド陸軍と実働演習
 第34普通科連隊は10月15日から11月5日までの間、インド共和国ミゾラム州対内乱・ジャングル戦学校(CIJWS)において、令和元年度インドにおけるインド陸軍との実動訓練(ダルマ・ガーディアン19)に参加し、インド陸軍との実動訓練により陸上自衛隊の対テロ等に係る戦技技量を向上させるとともに、日印両国及び陸軍種の相互理解の促進と関係を強化した。
 本訓練において、第34普通科連隊第5中隊(中隊長 阿部3佐)基幹の約30人の隊員とインド陸軍ドグラ連隊第18大隊(大隊長 シン大佐)1コ中隊基幹の約30人が共同訓練を行なった。     
(第1師団広報班)

相互に連携した市街地戦闘訓練
宮殿にお祝いの礼砲轟く
 第1特科隊は10月22日、即位礼正殿の儀に参加し、隊長林1佐が指揮する増強1個中隊(73名)は、北の丸公園第2駐車場で、即位礼正殿の儀の儀式中、安倍内閣総理大臣による万歳の発声(第1声)に合わせて、初弾の砲音が宮殿に到達するように発射して、じ後5秒間隔で砲4門、合計21発の空包により礼砲の任務を遂行した。
(第1師団広報班)


東京都防衛協会会報第14号(01.10.01)特集記事
地区防衛協会と1師団担任部隊&東京地本担当募集案内所等
身近で活躍している部隊・地本との 絆を強くして、しっかり激励・支援 しましょう!
 地区協会のそれぞれの地域には陸・海・空自衛隊の部隊・機関等が所在し、厳しい任務の遂行に邁進しています。
 今回は、各地域に所在する陸上自衛隊第1師団の部隊及び自衛隊東京地方協力本部の地域事務所・募集案内所・出張所等を紹介します。
 我が国の防衛はもとより各種災害への対処、厳しい募集業務に携わっている自衛隊の皆さんとの絆を強くして、更なる激励・支援に努めましょう。
師団の総合戦闘力を発揮/第1次師団演習
第1師団は7月1日から5日の間、北富士・東富士演習場において、第1次師団演習を実施し、師団の総合戦闘力の発揮に必要な基盤となる練度を向上させるとともに、第1普通科連隊、第1戦車大隊及び第1施設大隊の訓練検閲を実施し、教育訓練の成果を評価した。  検閲実施にあたり統裁官(竹本師団長)は「有機的な指揮幕僚活動により戦闘力を組織化せよ」「一隊員に至るまで基本・基礎を確行せよ」「危機管理を徹底せよ」の3点を要望した。
第1普通科連隊
▼第1普通科連隊は約40`bの徒歩行進を実施。じ後、先遣増強普通科連隊として戦車部隊と協同し攻撃を開始。
 この際、施設部隊により、陣前の障害を処理し、火力と機動を発揮しつつ、敵部隊を駆逐し、任務を完遂した。
駒門道沿いを徒歩行進する1普連隊員
第1戦車大隊
▼第1戦車大隊は約160`b、高低差約1000bにわたる車両行進を行った後、先遣部隊として10式戦車による指揮射撃統制装置をもって敵戦車の正確な位置等を把握し、迅速かつ効果的な対機甲戦闘を実施し、任務を完遂した。
 戦車道沿いを車両行進する1戦大10式戦車
第1施設大隊
▼第1施設大隊は、約30`bの徒歩行進に引き続き、敵が設置した地雷を適時・適切に処理し、速やかに戦車用通路まで拡幅して攻撃部隊の前進を容易にした。
 また、07式機動支援橋の架設による架橋、87式地雷散布装置をヘリに装着してのヘリ散布による地雷原の構成など、作戦の全局面において施設能力を駆使して、任務を完遂した。
 梅雨空に覆われ、濃霧等、高温多湿により過酷な状況であったが、受閲部隊は、それぞれの任務を完遂し、所望の成果を収めた 。
阿波踊りをする1後支連隊員
練馬駐屯地納涼祭
 練馬駐屯地は7月24日、駐屯地営庭において納涼祭を実施した。当日は好天に恵まれ、地域住民等約1万6千人が訪れた。
阿波踊りをする1後支連隊員
 開幕は音楽隊によるファンファーレで始まり、地域住民と隊員による盆踊りや地元北町の「3つの連」と1後支連が参加した阿波踊りのほか、各部隊対抗によるパフォーマンス大会が行われた。
 フィナーレの打ち上げ花火では花火大会実行委員会主催によるナイアガラの仕掛け花火等により、来場者から大歓声が沸きあがり、納涼祭は大盛況のうちに終了した。
練馬の夜空を彩る花火
一発必中の精神で撃つ!/佐多対空射場にて
 師団は7月25日から27日までの間、佐多対空射撃場(鹿児島県)において「令和元年度多用途ヘリコプターからの機関銃射撃訓練」を実施した。
 本訓練は第32普通科連隊長を担任官として、各部隊より選抜された機関銃射手に対し、機関銃射撃練度の維持及び指導能力の向上を図ることを目的に実施した。
 また、東部方面航空隊、東部方面混成団の射撃訓練を支援した。
UH−1を使用しドアガン 射撃を実施
 本射撃訓練間は快晴で真夏日となったが、隊員達はその暑さをものともせず、高い集中力をもってヘリコプターによる平行移動の射撃及び低空における射撃を実施した。
 訓練を通じて隊員達は、お互いに射撃の特性や技術を相互に意見交換して練度の向上に努め、所望の成果を収めて本射撃訓練を終了した。  
UH-1に設置した機関銃の射撃  を実施する32普連隊員
(第1師団広報班)

東京都防衛協会会報第13号(01.07.01)特集記事
各駐屯地で入隊式(1普連・32普連・34普連・1特科隊)
               採用基準新たに

 第1普通科連隊(練馬)、第32普通科連隊(大宮)、第34普通科連隊(板妻)は4月6日、第1特科隊(北富士)は4月13日、それぞれの駐屯地において、第10期自衛官候補生課程入隊式を行いました。
 第1師団では、新たな採用基準により386人(新基準採用者19人)の入隊者を迎えました。今回の入隊式では、自衛官候補生達は昨年まで27歳未満の採用だった基準から、採用年齢を33歳未満まで上げての新基準の採用となりました。
 各駐屯地の桜の花も満開に咲いた春の日、心身ともに新たな人生をスタートさせた自衛官候補生達(1普連教育隊117人・32普連教育隊119人・34普連教育隊98人・1特隊教育隊52人)は、多数の来賓及びご家族が見守る中、身に付けたばかりの敬礼を行い、大きな声で宣誓をし、凛とした姿を披露しました。
 わずか数日の間で凛々しく制服を着こなす我が子を目の当たりにした家族からは「驚きと喜びとともに期待がいっぱい」とのコメントを伺いました。 また、入隊式にあたり五井自衛官候補生(30歳)は「大切な人との出会いと笑顔ですごしていける未来を守りたいと思い自衛隊へ入隊しました。若い同期に、気持ちも根性も負けていないと思います。これから一生懸命やりとげたいです」と入隊動機とこれかの抱負について述べました。
 式終了後は家族との時間を設け、候補生とその家族は記念撮影したり、限られた時間の中、家族との和やかなひと時を過ごしました。


宣誓を読み上げる自衛官候補生(1普連)

かっこよく敬礼を披露し記念写真(32普連)

連隊長より区隊旗を授与(34普連)

大きな声で宣誓をする自衛官候補生(1特隊)
山林火災における災害派遣(34普連・1飛隊)
第1ヘリ団の協力をへて鎮火
 第34普通科連隊及び第1飛行隊は4月5日から6日までの間、静岡県浜松市で発生した山林火災に伴う災害派遣活動を実施しました。
 5日、正午過ぎに浜松市天竜区横川の山あいで火災が発生し、静岡県庁への連絡要員の派遣、初動対処部隊及び第4中隊が、浜松市の消防局及び航空自衛隊浜松基地等に向けて前進し、情報収集等を実施しました。
 翌6日、早朝から第1ヘリコプター団及び第1飛行隊のヘリをもって飛行統制、航空偵察及び空中消火活動を開始し、第34普通科連隊は船明(ふなぎら)ダム運動公園において、周辺地域の安全確保等の消火活動を支援しました。
 19回に及ぶヘリの空中消火により、鎮火が確認され、午後2時頃、県からの撤収要請を受理し災害派遣活動を終了しました。

現地調整する第34普通科連隊

東京都防衛協会会報第12号(31.04.01)特集記事
年明け早々の災害派遣(32普通科連隊・第1飛行隊)
埼玉県ときがわ町 山林火災


ジェットシューターにより 残火処理する隊員
 第1師団は1月23日から25日までの間、埼玉県知事より災害派遣要請を受け、埼玉県ときがわ町で発災した山林火災に伴う災害派遣活動を行なった。
 第32普通科連隊はときがわ町役場にLOを派遣し関係機関等と連携し迅速な情報収集を行いつつ、第1特科隊より受領したジェットシューター50コを積載し、副連隊長(町屋2佐)を長とした1中隊主力(後、5中隊増強)をもって地上からの消火及び残火処理に当たった。
 第1飛行隊は、第12ヘリコプター隊及び第106飛行隊とともに空中より火点確認の情報収集及び消火活動に当たった。
 24日、鎮圧宣言を確認し、地上及び上空からと約6fもの燃焼した地域の消火活動を終え任務を完遂した。
人命救助で善行褒章(第1後方連隊)
 第1後方支援連隊輸送隊 塩谷3曹及び同連隊衛生隊 大橋士長は、平成30年12月22日夕方頃、国道254号線上り車線の練馬駐屯地正門交差点付近において発生した、軽自動車と自動二輪の衝突事故に際し、負傷して路上に倒れた自動二輪のドライバーに対してバイタルチェックを行ないつつ、速やかに119番通報を呼びかけるとともに、救急隊員到着までの間、負傷者に付き添い看護を継続する等、人命救助活動に努めた功績により練馬駐屯地司令(佐藤陸将補)から2月1日、善行褒賞を授与された。
 人命救助にあたり塩谷3曹は「すぐに通報し出来る限りの処置をした。日々の訓練で、当たり前に実施してきた事を、実戦でも当たり前にできるように意識して行動してきたことが、今回の突発的な事故にも対応できたのだと思う」と感想を述べた。
 また、大橋士長は「最初、傷病者を見た時は重症かと一瞬怖さを覚えました。しかし、衛生隊員として使命感に駆られ、自然に『大丈夫ですか?』と声をかけていました。バイク事故で重症にいたらなかったので良かったです。今後も自衛官として、一人でも多くの方の力になれればと思います」と感想を述べた。
            
塩谷佳三3等陸曹               大橋まゆみ陸士長
平成最後の射撃競技会(第1師団)
北・東富士演習場で熱戦
 第1師団(師団長 竹本陸将)は1月28日から31日までの間、北・東富士演習場において、射撃練度の向上を図るとともに部隊の団結強化及び士気の高揚を図ることを目的として、師団射撃競技会(重迫撃砲・小火器)を実施した。 本競技会は霊峰富士の下、北・東の演習場において、120o迫撃砲RT(重迫撃砲)、89式小銃、9o拳銃の3火器を使用し各隷下部隊より指定・抽選された隊員により、部隊の誇りと名誉をかけ熱戦を繰り広げた。
▼重迫撃砲射撃

120ミリ迫撃砲の射撃
 重迫撃砲射撃競技会は28日、北富士演習場において、1普連及び34普連、29日、32普連及び中即連(オープン参加)が射撃を実施した。  3連覇を狙う32普連、昨年の雪辱を誓う1普連及び34普連が熱戦を繰り広げた。  結果は5年ぶりに1普連が優勝、32普連が準優勝となった。
▼小火器射撃
 
小火器射撃(9ミリ拳銃)       小火器射撃(89式小銃)
 小火器射撃競技会は東富士演習場(基本射場及び縮尺射場)において、各競技対抗の部に分かれ実施した。
 師団射撃競技会として89式小銃及び9o拳銃を使用した競技会を実施するのは約30年振りとなった。
 結果は以下のとおりとなった。
【小火器射撃部隊対抗の部】
  普通科連隊の部  優勝 第32普通科連隊
  大隊等の部  優勝 第1施設大隊
  隊の部  優勝 司令部付隊
【小火器応用射撃個人の部】
  優勝  第32普通科連隊      3曹 渡辺龍介
  準優勝 第32普通科連隊      3曹 甲斐崇見
  第三位 第1後方支援連隊     1尉 増野 茂
【重迫撃砲射撃の部】
  優勝  第1普通科連隊 (第1師団広報班)

東京都防衛協会会報第11号(31.01.01)特集記事
平成30年度自衛隊記念日観閲式(第1師団)
 第1師団は10月14日(日)、陸上総隊が創隊されてから初めての観閲式となる平成30年度自衛隊記念日観閲式に観閲部隊として参加した。
 観閲部隊は、第1師団長(竹本陸将)を観閲部隊指揮官として、第1師団を基幹とした全国の陸上・海上・航空自衛隊の各部隊、防衛大学校、防衛医科大学校及び高等工科学校等の学校機関、予備自衛官・即応予備自衛官部隊等、約3,800名の人員と約260両の装備で編成された。  
 第1師団は観閲部隊に加えて、受付・案内、警備、補給・整備、来賓接遇等、幅広い分野において後方支援に携わった多くの隊員の活躍により、平成30年度自衛隊記念日観閲式における全ての任務を完遂し国家的行事の遂行に寄与した。
 

 
日米共同訓練(第1普通科連隊)
平成30年度米国における米陸軍との実動訓練
(ライジングサンダー18)
 第1普通科連隊(連隊長 町中1佐)は8月23日から9月22日までの間、アメリカ合衆国 ワシントン州ヤキマ演習場(YTC)において「平成30年度米国における米陸軍との実動訓練(ライジングサンダー18)」に参加した。
 本訓練は1普連3中隊(中隊長 林1尉)基幹の約130人の隊員とルイス・マッコード統合基地に駐屯する第2‐2ストライカー旅団戦闘団第1‐17歩兵大隊C中隊基幹の約230人が、共同の機能別訓練、総合訓練等を実施して相互運用性の向上を図った。
 日本側部隊指揮官(連隊長 町中1佐)は、8月31日の訓練開始式において、「日米の絆の強化」「相互連携要領の向上」「管理の徹底」の3点を要望し、「日米両部隊・隊員がそれぞれ与えられた任務を確実に完遂し、本訓練を通じて日米同盟がより効果的にかつ強固なものへと深化することを期待する」と訓示して、両部隊は訓練の成功を誓い合った。
 機能別訓練は9月1日から4日の前段において、陸自が独自で市街地における普通科中隊以下の戦闘行動及び射撃訓練を演練し、6日から8日の後段は日米共同連携要領を実施した。 総合訓練は、9月10日から12日の間、敵陣地等の掃討における警戒部隊の駆逐から市街地掃討までの共同連携要領を演練した。
  本訓練に参加した3中隊3分隊長 府川2曹は「米国との訓練により分隊員の意識が向上したことに感動を覚えた。
 また、建物内での射撃や広大な土地ならではの長い射距離の射撃と日本ではできない経験を積むことができた。今後はこの経験を活かしさらなる練度向上に努めるとともに、部隊への普及に務めていきたい」と話した。
 
      訓練開始式          01式軽対戦車誘導弾の発射訓練
慰霊祭部隊拝礼(第34普通科連隊)
平成30年度 千鳥ヶ淵戦没者墓苑 秋季慰霊祭
 34普連(連隊長 山之内1佐)は10月18日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑において平成30年度千鳥ヶ淵戦没者墓苑秋季慰霊祭に伴う部隊拝礼を実施し、先の大戦で亡くなられた戦没者に対し鎮魂の祈りを込めた儀じょうを行った。

六角堂に安置された御柱に敬礼する久木田1尉と34普連隊員

東京都防衛協会会報第10号(30.10.1)特集記事
自衛官人事(8月1日付)
東部方面総監 第1師団長 第1師団副師団長 東京地方協力本部長
陸将 田 克樹
(陸上幕僚副長)
陸将 竹本 竜司
(第11旅団長)
陸将補 佐藤 真
(防衛監察本部)
陸将補 荒井 正芳
(教育訓練研究本部)
機動展開訓練・射撃訓練(第1特科隊)
みちのくに砲声轟く
第1師団(師団長 竹本陸将)は8月2日から9日までの間、福島県の白河布引山演習場において第1特科隊(林1佐)に対して「平成30年度野戦特科部隊等の機動展開・射撃訓練(第1特科隊実射訓練検閲)」を実施した。
 本訓練は、北富士駐屯地から白河布引山演習場(福島県)までの約300kmの機動展開に引き続く射撃任務の実施という想定で行い、第1特科隊の機動展開能力及び射撃精度の評価・判定を実施した。
 8月3日、白河布引山演習場に展開した第1特科隊は、5日までに陣地偵察、弾薬受領、火砲の整備等、陣地占領を完了して、6日から射撃任務を遂行した。
 状況開始以降、逐次変化する戦況に応じ、試射や陣地変換を行いながら、射撃要求に応じて射撃任務を実施した。射撃実施にあたり観測機関、射撃指揮機関及び戦砲隊の三者が巧みに連携して、雨の影響による泥濘化した軟弱な地盤に苦労しながらもこれを克服した。
 検閲終了後、統裁官は講評の中で、「射撃任務の実施にあたり各人が保有する能力を最大限に発揮し、弾先でその実力を証明してくれた。
 引き続き、あらゆる任務を完遂できるよう、隊長林1佐を核心として強靭な特科隊の練成に励んでもらいたい」と述べ、今後の第1特科隊の部隊練成による更なる練度向上を要望し、所望の成果を収め本訓練を終了した。
 
射撃を実施する155mm 榴弾砲(FH−70) 弾着景況を確認する師団長
六ケ所で対空実写訓練(第1師団)
 師団は7月22日から8月4日までの間、六ヶ所対空射場(青森県)において高射学校が実施する「平成30年度地対空誘導弾の対空実射訓練」に携帯地対空誘導弾保有部隊の隊員を参加させ、実射訓練を通じて対空射撃能力の維持・向上を図った。
 射撃訓練間は快晴に恵まれ、対空射撃を実施するにはこの上ない天候となった。本訓練に先立ち組長及び射手は事前に東富士演習場や駒門駐屯地での非実射訓練を通じてその練度を高めており、当日の実射訓練においては組長及び射手が相互に連携して射撃手順に基づき円滑な射撃を実施し所望の成果を収めた。

1普連隊員によるP-SAMの射撃
被災地のために最大限の支援(第1師団)
 師団は台風7号及び大雨の影響により、西日本で発生した土砂災害、浸水等に伴い、7月9日から東方入浴支援隊、東方給水支援隊及び東方広域防疫隊を編成して広島県で災害派遣活動を実施した。
 派遣活動に従事した隊員達は、酷暑の続く厳しい気象条件の中、ライフラインが甚大な被害を受けた地域において、献身的に任務に臨んでいたが、ライフラインの復旧に伴う支援所要の減少により逐 次災害派遣の任務を終え、原所属への復帰を果たした。
 給水支援隊は第1師団及び12旅団が方面隊の主力となり、第13旅団の指揮下で呉市において、1普連・32普連・1後支連・1通大の要員が活動を実施していたが、7月25日をもって任務を終え各駐屯地へと帰隊した。
 東方広域防疫隊は1特防・12化防・1後支連の要員が、第13旅団の指揮下で、冠水した地域の防疫を実施していたが、7月26日を持って任務を終え所属部隊へと帰隊した。
(師団 広報班)

給水支援を行う32普連隊員

東京都防衛協会会報第9号(30.7.1)特集記事
国旗捧持隊(1普連)
国家行事で敬意を表す
李克強国務院総理が来日
 5月9日、迎賓館において第1普通科連隊 第1中隊 室坂3尉以下40人の国旗捧持隊は、中華人民共和国 李克強国務院総理(首相)に対して、日本・中華人民共和国の国旗を一糸乱れぬ動作で捧持し、国内外に威容を示した。
 参加した第1中隊川端士長は「練成当初は個癖により旗の角度や動作を揃えることに苦労したが、指導部や第302保安警務中隊の方々による厳しくも丁寧な指導により、本番では国旗捧持隊が一体なって実施できた。国家行事に参加できたことは貴重な経験であり、改めて自衛官であることに誇りを感じるとともにわが国への愛国心を再認識した。
 今後より一層職務に邁進していきたい」と式典終了後感想を話した。
 
迎賓館において国旗を捧持する第1普通科連隊
創立記念行事(1師団・練馬駐屯地)
創立記念行事で威容示す!
 第1師団(師団長 柴田陸将)は4月8日、練馬駐屯地において第1師団創立56周年・練馬駐屯地創設67周年記念行事を挙行した。
 当日は天候に恵まれ、多数のご来賓をはじめ、招待者、地域住民及び隊員家族等、約1万人が駐屯地を訪れた。 
 記念式典の式辞で師団長は「我々は情勢等の変化に柔軟に対応し、予期されるあらゆる事態への備えを万全にするとともに、事態の発生に際しては、直ちに行動し、必ず任務を完遂するという『即動必遂』の覚悟が求められる。いかなる過酷な状況下においても必ずや任務を完遂できる強靭な第1師団を練成していかなければならない。」と観閲部隊に要望した。
 式典に引き続き、音楽演奏・訓練展示が行われ、特に注目を浴びたのは、第1師団の伝統である100人のらっぱ手で構成されたらっぱ隊、第1音楽隊及び第1特科隊の礼砲隊がコラボレーションした音楽演奏であった。
 
(左)訓示を述べる柴田師団長 
(右)第1音楽隊、100人らっぱ隊、 第1特科隊礼砲隊による合同 音楽演奏
銃剣道訓練展示等(1普連)
ミャンマー陸軍と交流
 第1普通科連隊銃剣道訓練隊は、4月16日、日緬専門家交流の支援として、ミャンマー陸軍の銃剣道教官要員の三人に対し銃剣道訓練展示等を行った。  
 ミャンマー陸軍では60年前に日本から送られた防具を修理を重ねながら現在も大切に使用しているという紹介に、若い隊員から驚きと感嘆の声が上がった。
(師団 広報班)

訓練展示する隊員

東京都防衛協会会報第8号(30.4.1)特集記事
災害派遣(1師団)
災害派遣任務を完遂! 各地で民生の安定に寄与
 第1師団(師団長 柴田陸将)は、昨年末から今年の始めにかけて発生した山林火災における空中消火及び大規模断水に伴う給水支援の3件の災害派遣任務に即動して任務を完遂し、民生の安定に大きく寄与した。

 1月29日、新潟県佐渡市で大規模な断水が発生したことを受け、1月30日から2月2日の間、師団は第12旅団の増援として、第1師団給水支援隊(第1後方支援連隊、第1普通科連隊、第1特科隊、第1通信大隊、第1師団司令部付隊)を派遣し、佐渡市内において給水支援を実施した。
 各部隊は約400`bの長距離機動と海路による移動に併せ、慣れない積雪地での活動にもかかわらず任務を完遂した。
 また1月3日には、東京都西多摩郡奥多摩町で発生した山林火災に伴い、師団は4日、東京都知事からの災害派遣要請を受け、1施大長以下を派遣し、奥多摩町での災害対策本部との連絡調整及び消火機材の取り付けを行うとともに1通大は映像記録を実施した。また1飛は12ヘリ隊の支援を受け空中消火を実施して早期の鎮圧に寄与した。
 さらに昨年の12月17日には、山梨県上野原市で発生した山林火災に伴い、18日、山梨県知事から第1特科隊長に対して災害派遣要請があり、同隊は、災害対策本部との連絡調整、ヘリへの消火機材の取り付け及び鎮火確認を行うとともに、1飛は12ヘリ隊の支援を受け空中消火を実施し任務を完遂した。
 大規模断水に伴う給水支援を実施した1後支連補給隊 西宮3曹は「慣れない積雪地での活動であったため安全運転を心掛けた。寒さが厳しかったが、無事任務完遂できて良かった」と話した。
 また本災害派遣活動に対し、山梨県から1特、1飛が、奥多摩町から1施大及び1飛が、それぞれ感謝状を受賞した。
 
佐渡市/給水支援を行う第1後方支援連隊 奥多摩町/消火機材の 取り付け作業をする1施大
年頭編隊飛行訓練(1飛隊)
航空安全意識の高揚を図る!
 第1飛行隊は1月10日、東京都及び神奈川県上空においてUH‐1J4機による年頭編隊飛行訓練を実施し、平成30年における航空安全を祈願するとともに、安全意識の高揚を図った。
 視察した師団長は、訓示において1飛隊員の昨年の活躍を称えるとともに、今年の無事故と更なる飛躍を訓示した。

視察する柴田師団長
訓練検閲(1師団)
厳冬の富士で 防御戦闘 4個部隊を検閲する
 師団は12月4日から11日までの間、厳冬の東富士演習場において、第1普通科連隊(連隊長 町中1佐)、第1特科隊(隊長 佐藤1佐)、第1施設大隊(大隊長 能村2佐)及び第1飛行隊(隊長 井上2佐)の訓練検閲を実施し、教育訓練の成果を評価して、その進歩向上を促した。
 編成完結式の訓示において統裁官(師団長)は「指揮官の企図及び命令を徹底せよ」、「常に敵を意識し、部隊の基本的行動及び隊員の基礎動作を徹底せよ」、「管理を万全とし、徹底せよ」の3点を要望し訓練検閲は開始された。
 1普連は師団の支作戦正面を担任する増強普通科連隊として、夜間の約40`bの徒歩行進に引き続き陣地防御し、敵の侵攻を阻止した。
 1特は師団の作戦における火力戦闘の骨幹部隊として、夜間の車両行進に引き続き、師団の防御戦闘における火力運用を統制して、重要目標リストに基づく火力戦闘を行い、師団の任務完遂に寄与した。
 1施大は夜間の車両行進に引き続き、師団保有の機械力を適切に運用し、師団指揮所の構築、防御部隊等に対する陣地構築支援、障害構成等を積極的に実施した。
 1飛は師団の作戦における戦闘支援部隊として、立川及び練馬駐屯地からの展開及び車両行進に引き続き、飛行展開地を占領し、ヘリコプター火力戦闘、EEI(情報主要素)解明に資する航空偵察等、戦闘を空中から支援した。
 各部隊は未明の気温が氷点下にまで下がる厳しい寒さの中、日ごろの訓練成果を遺憾なく発揮し、各々の任務を完遂した。
 また、本訓練検閲においては5夜6日にわたる戦術行動の後、1普連は総合戦闘射撃、1特は89式小銃応用射撃、1施大は89式小銃応用射撃、1飛は89式小銃及び9_拳銃の応用射撃による実射検閲を実施し併せて評価した。
(師団 広報班)

東京都防衛協会会報第7号(30.1.1)特集記事
第1師団 日米実働訓練
日米の絆 更なる強化 相互運用性の向上を図る
 第1師団(師団長 柴田陸将)及び米陸軍第1―25旅団は9月8日から25日までの間、滝ヶ原駐屯地、米軍キャンプ富士、東富士演習場及び王城寺原演習場において「平成29年度国内における米陸軍との実動訓練(オリエントシールド2017)」を実施し、実動訓練により相互運用性を向上させるとともに、指揮機関訓練において日米共同作戦計画を立案・検証し日米師・旅団司令部の相互運用性の向上を図った。

訓練開始式における日米両統裁官
 本訓練は第34普通科連隊(連隊長 山之内1佐)が実動訓練(FTX)の担任部隊となり、米陸軍の第3―21歩兵大隊(大隊長 デイビス中佐)と共同して実動訓練を実施し、機能別訓練、総合戦闘射撃、市街地戦闘、ヘリボンからの攻撃等により連隊・大隊レベルの相互運用性の向上を図った。
 また、師団司令部及び1―25ストライカー旅団戦闘団司令部は指揮機関訓練(CPX)を行い、日米共同作戦における連携要領を演練した。
 参加者は日米合わせて約2400人となりオリエントシールド史上最大規模となった。  
 11日、訓練開始式において、日本側統裁官(第1師団長)は「部隊及び隊員それぞれが与えられた任務を見事に完遂し、本共同訓練を通じて日米同盟がより実効的かつ強固なものへと深化することを期待する」と訓示した。
 また米側統裁官(在日米陸軍司令官 ジェームズ・F・パスカレット少将)は「日米同盟はこれまで以上に重要になっている。訓練では互いに学び、切磋琢磨してほしい」と訓示し、両部隊は訓練の成功を誓い合った。
FTX
 12日から18日の間、日米両部隊は東富士演習場において各直轄小隊が相互の技術交流及び連携要領を演練する機能別訓練を、各普通科中隊が市街地戦闘訓練、ヘリボンに引き続く共同攻撃要領及び共同総合戦闘射撃(CALFEX)を演練した。また、19日から22日の間は実動訓練の集大成である総合訓練において日米両部隊は、富士地区からオリエントシールド初となる方面区をまたぐ長距離機動展開を実施し、それぞれの指揮系統に従い、相互に必要な調整を行いながら、最終目標(市街地)を確保するなど、共同攻撃要領について演練した。
CPX
 師団司令部及び1―25旅団司令部はCPXにおいて、日米共同作戦計画を立案するとともに、米軍のシミュレーションシステムを用いた戦闘指導により日米共同作戦計画の検証等を行い、日米の共同作戦における連携要領を演練した。日米両司令部は日々綿密な調整を複数回重ね、師・旅団レベルでは訓練経験の少ない、日米共同作戦計画を完整させた。
 22日、日米合同作戦会議において日米両指揮官が、じ後の作戦構想について決心した時点をもって、状況を終了した。
 
前進要領の最終確認をする日米両部隊          日米共同作戦会議
第1普通科連隊 千鳥ヶ淵戦没者墓苑秋季慰霊祭
鎮魂の儀仗
 第1普通科連隊(連隊長 町中1佐)は10月18日、千鳥ケ淵戦没者墓苑において平成29年度千鳥ケ淵戦没者墓苑秋季慰霊祭に伴う部隊拝礼を実施し、墓苑に安置されている36万余りの御柱をはじめ、先の大戦で亡くなられた全ての戦没者に対し鎮魂の祈りを込めた儀仗を行った。

鎮魂の儀仗を行う陸自拝礼部隊

東京都防衛協会会報第6号(29.10.1)特集記事
第1師団 訓練検閲
第1師団 訓練検閲

逆襲戦闘する第1戦車大隊
 第1師団(師団長 柴田陸将)は7月11 日から19 日までの間、東富士、相馬原及び関山演習場において、第1戦車大隊(大隊長 池田2佐)、第1偵察隊(隊長田辺2佐)、第1音 楽隊(隊長小川1尉)の訓練検閲を実施し、教育訓練の成果を評価し、その進歩向上を促した。
 1戦大は偵察警戒部隊として約110qの 車両行進に引き続き東 富士隘路において数線の陣地を利用する抵抗により遅滞戦闘を実施し、敵部隊の侵攻を遅滞させるとともに後退後は師団予備として行動し、主戦闘地域に対する逆襲戦闘を行った。
 1偵は約300qの車両行進の後、広域にわたる監視網を構成し、 師団長の状況判断及び決心に必要な情報収集により師団の任務達成に寄与した。
 1音は約 25 qの徒歩行進に引き続き師団司令部付隊に配属され、 師団指揮所警備区域の一部を担任し敵遊撃部隊を阻止・拘束する等、陣地防御間、指揮所警備を遂行した。
第1普通科連隊 年次国際射撃競技会
第1普通科連隊 年次国際射撃競技会
射撃総合2位

師団長と記念撮影する繁田2曹(右)と塩見3曹(左)
 5月5日から26 日までの間、豪州ビクトリア州パッカパンニャル訓練場で実施された、 年次国際射撃競技会(AASAM 17 )に、1普連本管中隊 繁田2曹及び塩見3曹が正 要員として参加し、繁田2曹が狙撃グループ 総合2位、塩見3曹が、 国際マッチグループ (小銃、機関銃及び拳銃の総合)で陸上自衛隊過去最高順位の総合2位の成績を収め、6月16 日、師団長に報告を行った。
 繁田2曹は「日本人の誇りを胸に謙虚な中 にも芯を持ち、活躍できればと考えAASAMに参加した。 今後は今競技会で修得した技術の継承が重要と認識している」と感想を話した。
 塩見3曹は「大会では、練成時から起床〜射撃〜就寝までをルーティン化したので、特に緊張することなく、リラックスした気持ちで射撃することができた」と話した。
練馬駐屯地 納涼祭
納涼祭

1普連本部管理中隊のパフォーマンス
 練馬駐屯地(司令 第1師団副師団長)は7月26日、駐屯地グランドにおいて納涼祭を実施した。
 当日は降雨の心配もあったが、祭り開催中は好天に恵まれ昨年比 7千人増の地域住民等 約1万6千人が訪れた。
祭りは音楽隊のフ ンファーレで始まり、地域住民と隊員による盆踊りや地元北町の3つの連と1後支連が参加した阿波踊りのほか山形県人会による花笠音頭や各部隊対抗によるパフォーマンス大会が行われ昨年とは違う盛り上がりをみせたフィナーレは花火大会実行委員会主催による打ち上げ花火やナイアガラの仕掛け花火により、来場者から大歓声が沸きあがり、納涼祭は大盛況のうちに終了した。    
(師団広報班)

東京都防衛協会会報第5号(29.7.1)特集記事
第1普通科連隊 全日本銃剣道優勝大会
4年振りの優勝 銃剣道で全国制覇
 第1普通科連隊(連隊長 町中1佐)は4月23日、日本武道館において公益社団法人全日本銃剣道連盟が主催する「第 61 回全日本銃剣道優勝大会」に参加しました。
  試合は選抜された5人を1チームとした団体戦方式で、1普連チームは防衛省第1部( 69チーム参加)で競いました。 連隊は危なげない試合運びで駒を進め、決勝戦では、第4特科連隊(久留米)に4対1で勝利するなど、圧倒的な強さを見せつけ、4年振りに見事日本一の栄冠に輝きました。
 監督の出浦1曹は 「各人がそれぞれの役割を理解し、大将までつなげるという強い気 持ちで戦ったことが優勝に繋がった。青少年大会、国体も優勝を目指す」と更なる飛躍を 誓いました。

優勝した第1普通科連隊
第1師団 災害派遣
山林火災で災害 派遣
 師団は5月2日・3 日、静岡県浜松市天竜区で発生した山林火災に伴い、災害派遣活動を実施しました。
 2日11時15分、第34普通科連隊長兼ねて板妻駐屯地司令山之内1佐は静岡県からの災害派遣要請を受理し、師団司令部は同時刻をもって非常勤務態勢に移行して、11時30分、災害派遣実施に関する行動命令を発出しました。
 34普連は直ちに県庁及び現地対策本部(浜松市消防本部)に連絡幹部を派遣するとともに、ファスト・フォー スを降着地域に前進させ、第12ヘリコプター隊のCH47にバケット取り付けの支援等を実施しました。
 第1飛行隊(隊長 井 上2佐)は航空偵察を行うとともに、前方指揮所(浜松基地)を開設し、UH‐1による空中消火及び安全統制を行いました。
 3日16時43分、火災の鎮圧を確認した静岡県からの派遣撤収要請を受け、無事活動を終了しました。
 2日間にわたる活動で1飛のUH‐1による空中消火を計11回約5.5d、12 ヘリのCH47 による空中消火を計94 回約470d、それぞれ実施しました。
(師団 広報班)

バケットを取り付け、取水点に飛び立つUH-1
第1師団 師団長交代
柴田陸将 第 37 代師団長に着任
 第 37代第1師団長として柴田昭市(しばた しょういち)陸将が3月27日付で第14旅団長(善通寺)から着任しました。
 翌 28 日、柴田師団長は副師団長以下隷下部隊長等が出迎える中第1普通科連隊及び第1音楽隊で編成された儀杖隊による栄誉礼を受け、慰霊碑に献花した後、着任式に臨みました。
 着任の辞において師 団長は整列した部隊に対し統率方針として『強靭な第1師団の練成』を掲げ『即動必遂』 『心技体の充実』を要望しました。
 前師団長の西浩コ陸将は同日付で、陸上自衛隊幹部学校長(兼ねて目黒駐屯地司令)としてご栄転されました。

 東京都防衛協会会報第4号(29.4.1)特集記事
第1師団隷下部隊
集合訓練で資質涵養 指導者の指導能力向上も
 第1師団(師団長 西 陸将)隷下部隊は施設合同訓練・狙撃手集合訓練・格闘集合訓練及び化学特技者集合訓練を実施し、知識・技能の修得、資質の涵養を図るとともに、指導者の指揮・指導能力の向上を図りました。
施設合同訓練(第1施設大隊)
 第1施設大隊(隊長 山下2佐)は1月16日から18日までの間、東富士演習場において、師団隷下各普通科連隊の施設(爆破)技術の練度向上及び施設大隊の指揮・指導能力の向上を図ることを目的として、第3次施設合同訓練を実施しました。
 爆破訓練は当初70式地雷原爆破装置による爆破を実施して、その景況を確認するとともに、70式地雷原爆破装置の投射から通路拡幅、対戦車壕の処理を一連の状況下で実施しました。その後は実際に戦車及び小銃分隊による突撃を行って、爆破処理後の通過について検証しました。
 担任した第1中隊長 渡邊1尉は「普通科及び戦車部隊の協力で実戦的な爆破訓練を実施することができた。今後の課題として、戦車がスムーズに通過できるような壕処理要領を検討していきたい」と訓練後話しました。
(師団広報班)
狙撃手集合訓練(第32普通科連隊)
 第32普通科連隊(連隊長 毛利1佐)は1月16日から3月7日までの間、大宮・朝霞駐屯地、東・北富士演習場において、第2回師団狙撃手集合訓練を実施しました。  
 本訓練は選抜された隊員に対し、基礎訓練及び行動訓練により、狙撃手に必要な知識及び技能を修得させるとともに、狙撃手として必要な資質を養うことを目的として行い、射撃術に加え、記憶力維持訓練、武装障害走、目標発見識別訓練、距離判定訓練、潜入訓練等の戦闘戦技訓練を実施しています。  
 被教育者として参加した32普連5中 岸部3曹は訓練に当たり「少しでも多くの知識・技能を身につけ1人でも多くの仲間を助けられる狙撃手になれるよう頑張る。MOS(特技)を取得した際には、師団・連隊の狙撃手育成のため、全力を尽くしていきたい」と意気込みを話しました。
(師団広報班)
格闘集合訓練(第34普通科連隊)
 第34普通科連隊(連隊長 山之内1佐)は1月10日から3月17日までの間、板妻駐屯地及び市街地訓練場において師団格闘集合訓練を実施しました。  
 被教育者として参加している34普連2中 高尾3曹は「格闘指導官としての指導能力及び資質を涵養し、部隊の近接戦闘能力の向上に寄与できるよう教育に邁進する」と意気込みを話しました。
(師団広報班)
化学特技者集合訓練(第1特殊武器防護隊)
 第1特殊武器防護隊(隊長 原田2佐)は、1月16日から20日までの間、朝霞訓練場において訓練参加部隊の部隊化学特技者に対して第2回師団化学特技者集合訓練を実施しました。  
 訓練に指導部として参加した1特防 伊藤3曹は「訓練を通して、各部隊の部隊除染所開設・運営の練度が上がり特殊武器防護に関する能力が上がったと感じた。引き続き各部隊には訓練を継続してもらいたい」と話しました。
(師団広報班)
熱戦!重迫撃砲等競技会
 師団は2月6日から8日までの間、北富士演習場において、師団重迫撃砲等競技会を実施しました。  競技会には師団隷下3コ普通科連隊に加え、隷下外から第1空挺団、普通科教導連隊、中央即応連隊がオープン参加し重迫撃砲と迫撃砲の部に分かれて行いました。
 競技に当たり統裁官は「全隊員が一致団結し、全ての努力を弾先に集中せよ」「基本・基礎を徹底せよ」「安全管理を徹底せよ」を要望しました。  結果は第32普通科連隊が総合優勝に輝きました。
(師団広報班)

 東京都防衛協会会報第3号(29.1.1)特集記事
第1師団と関係機関と連携を強化
 師団は各種訓練を実施し自治体・警察・消防等との連携を強化するとともに、その対処能力向上を図りました。
■警察共同訓練
 1普連は11月10日から11日の間、朝霞訓練場において警視庁と共同訓練を実施しました。
 本訓練は治安出動時における自衛隊と警察相互の連携要領の確認及び実効性の向上を図ることを目的として行われ、緊急輸送、武装工作員対処、共同検問要領等を演練しました。
 緊急輸送訓練では警察先導下での部隊移動における警察と自衛隊の連携要領を、また武装工作員対処訓練においては、検問所に不審車両が進入し、抵抗する武装工作員を制圧・検挙するまでの要領を演練しました。
■国民保護訓練
 11月15日、東京文化会館及び上野恩賜公園において行われた東京都国民保護訓練に師団司令部、1普連、1特防が参加しました。
 本訓練は文化施設等においてテロ災害が発生したことを想定し行われ、師団司令部は現地調整所における活動全般の調整、現地における部隊の全般統制を、1普連はLOによる被害情報の収集及び調整所における調整を、1特防は調整所における除染等に係る調整及び警視庁と共同し、東京文化会館大ホールの地域除染をそれぞれ実施しました。
■離島防災訓練
 三原山噴火で全島民が避難した日から30年を迎えた11月21日、伊豆大島において行われた東京都・大島町・利島村合同離島防災訓練に参加しました。
 1普連は主会場(町立つばき小学校)で行われた三原山噴火を想定した訓練において、先遣隊を空自ヘリにより部隊投入し、その後、関係機関及び都立大島高校生徒らと連携して救出救助を実施しました。
 島外避難訓練では老人ホームの要配慮者を高機動車で港まで迅速かつ安全に輸送し、警視庁警備艇「ふじ」に乗船させるなど、離島での災害対処能力向上を図りました。
殉職隊員の冥福を祈る
師団は11月11日、練馬駐屯地において、遺族、来賓、陸海空部隊長等が参列する中、東京都殉職隊員追悼式を実施しました。  師団長(執行者)は追悼の辞において「我々は国のために尽くし立派に使命を果たされた御霊の尊い志を受け継ぎ、国民の負託に応え得る、強靭な部隊・隊員の育成に邁進していく所存であります」と述べられました。その後、献花、拝礼、弔銃と続き、式は厳粛に執り行われました。  (師団広報班)

弔銃をする1普連隊員
国家的行事を支援!
 師団は10月10日・11日、羽田空港及び皇居宮殿東庭において、ベルギー王国 フィリップ・レオポルド・ルイ・マリー国王、王妃両陛下の来日に伴う礼砲・と列を実施しました。
 
日本・ベルギー両国の国旗を捧持する34普連隊員         礼砲を行う1特隊員
※「と列」は、皇族や国賓等訪問途上における送迎の意を表し、一般的に到着した空港、港などのその地域の玄関口から目的地までの適度な区間の公道に一定の間隔で並び送迎します。 自衛隊においては、主として皇族に対してのみ実施します。
日本・ベルギー両国の国旗を捧持する34普連隊員 礼砲を行う1特隊員

 東京都防衛協会会報第2号(28.10.1)特集記事
敵の侵攻を阻止せよ! 第1師団訓練検閲
 第1師団(師団長西陸将)は7月11日から19日までの間、東・北富士演習場において、第34普通科連隊(連隊長山之内1佐)、第1後方支援連隊(連隊長瓜生1佐)、第1特殊武器防護隊(隊長原田2佐)の訓練検閲を実施し、教育訓練の成果を評価し、その進歩向上を促しました。
 本訓練検閲では6夜7日にわたる戦術行動の後、34普連は「総合戦闘射撃」、1後支連・1特防は「基本射撃」を実施し訓練検閲の評価に反映しました。
  
 敵を待ち構える34普連隊員 横転した車両を回収する1後支 防護マスクを着けて射撃する1特防
遭難者を発見・救出
 18日の戦闘射撃に先立ち実施し た演習場安全確認の際、1飛のU H‐1Jが、前日から富士山登山 中に行方不明となっていた民間人 を発見(写真)し、これを収容して、御殿場小山消防署救急車へ引 き継ぎ救助しました。
震災対処能力の向上を目指して
 師団は7月5日から8日までの間行われた平成28年度自衛隊統合防災演習(28JXR)において、迅速な初動対処や被災情報の収集を行うとともに、活動拠点展開訓練、通信検証、航空情報提供訓練を実施しました。
  師団は本演習において、幕僚活動の向上を図るとともに、現行計画の検証を行うことができました。
 今後も引き続き改善・検討を重ね、震災対処能力の維持・向上に努めていきます。
 
現地調整所での状況報告          衛生科隊員と患者を輸送する1飛
納涼祭開催!
 練馬駐屯地(司令藤岡将補)は7月26日、駐屯地営庭において納涼祭を実施しました。当日は時折小雨の降る中、昨年比3千人増の地域住民等約1万人が訪れて祭りを楽しみました。

雨中に咲く打ち上げ花火

 東京都防衛協会会報創刊号(28.7.1)特集記事
海賊対処活躍中
日本から1万KMジプチの地で!
 第1師団(師団長西浩コ陸将)は、今年2月から派遣海賊対処行動支援隊第5次隊の司令部・業務隊・警衛隊要員を派遣し、海上自衛官とともに各国の軍隊と協力しながら、欧州や中東から東アジアを結ぶ重要な海上交通路の要衝であるジプチにおいてソマリア沖・アデン湾海域の安全確保に当たっています。現地から隊員2名の声をお届けします。
橘戦士ジプチに立つ
第5次隊警衛隊 3等陸曹 岩阪 勇樹(34普通科連隊第2中隊)
 海賊対処行動の要として海上自衛官が参加している派遣海賊対処行動航空隊の固定翼哨戒機P3Cはアデン湾を航行する数多くの一般船舶を慎重に識別するという隙のない哨戒任務を行っています。
 従って自分自身も、監視飛行を行う海上自衛官の方々を始めとした拠点勤務者が安心して勤務できるように、隙のない警備を心掛けています。
 帰国まで油断せず、健康管理に留意し、日本国自衛隊の一員としての誇りと、送り出してくれた橘連隊(第34通科連隊)及び家族への感謝の気持ちを忘れずに引き続き頑張ります。
女性陸上自衛官 ジプチ初上陸
第5次隊司令部 3等陸佐 根 久恵(1師団司令部法務幹部)
 私は、法務幕僚として派遣され、ジブチの日本隊自衛隊活動拠点において指揮官に対する法的な補佐や部隊の任務遂行のための法務業務を行っています。
 海賊対処にはこれまでに約30か国が参加しており、業務調整時は、日本語・英語・フランス語・ソマリ語等が飛び交うのもこの勤務の特徴ですが、お互いそれぞれの組織、文化及び伝統を理解・尊重し合い勤務しております。
 今回の派遣にあたっては、私の派遣期間中に5歳になる双子の子供達の面倒をみてくれている自衛官である夫や、保育園の急なお迎え等に対応してくれている夫の両親が派遣準備間から協力してくれて、私の事を後押ししてくれました。
 今後ともご理解ご協力を得ながら、任務を完遂したいと思います。
熊本地震災害派遣
 第1師団は「熊本地震」に対して、4月16日〜5月10日の間、第34普通科連隊(連隊長白川1佐)を基幹とする部隊(1後支連、1施大、1通大、1偵の一部が配属)及び第1後方支援隊補給隊を派遣し、人命救助活動、道路啓開・瓦礫除去、給食・給水・入浴支援等、被災者に寄り添った災害派遣活動を献身的に行いました
 今回は、第1後方支援連隊補給隊の一員として、阿蘇西小学校での入浴支援に当たった平野明音士長の手記(要約)を紹介します。
被災者に寄り添って
「災害派遣活動を通して得たもの」」
 驚愕する被害の中、入浴に来られる被災者の方々は、そのような事を感じさせない程、明るさと笑顔があり私はなぜなのか分からずにいました。そんな時、被災者の方から「ここのお風呂に入りに来ると温かく出迎えてくれる人がいてとても賑やかで私達にとって癒しの場所だよ。」「自衛隊の方達が何より心強くて、優しいので安心します。」等の沢山の言葉や手紙を頂いて、ようやく理解する事が出来ました。
 特に印象に残ったのが後藤春音ちゃんという女の子からの手紙でした 。慣れない手つきで書かれた手紙には、私たちに対しての感謝の気持ちや体調を気遣う内容、可愛らしい絵が書かれていました。春音ちゃん自身も被災して辛い経験をしているのにと思うと涙がこみあげてきました。活動は、苦しい、辛い瞬間もありますが、感謝の言葉や手紙は、私の励みとなりより強い気持ちを持って支援にあたる事が出来たと思います。
 今回、私は自衛官である事に誇りを感じるとともに自衛官で良かったなと改めて思いました。
       
      
更新情報
31.04.01:会報12号記事掲載
01.07.01:会報13号記事掲載
01.10.01:会報14号記事掲載
02.01.01:会報15号記事掲載
02.04.01:会報16号記事掲載
02.07.01:会報17号記事掲載
02.10.01:会報18号記事記載
03.01.01:会報19号記事掲載
03.04.01:会報20号記事掲載
03.07.01:会報21号記事掲載
03.10.01:会報22号記事掲載
04.01.01:会報23号記事掲載
04.04.01:会報24号記事掲載
04.07.01:会報25号記事掲載
05.01.01:会報27号記事掲載
05.04.01:会報28号記事掲載
05.07.01:会報29号記事掲載
05.10.01:会報30号記事掲載
06.01.01:会報31号記事掲載
06.04.01:会報32号記事掲載
06.07.01:会報33号記事掲載
06.10.01:会報34号記事掲載

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最終更新:06.10.01